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[MOM1301]履正社DF小川明(3年)_雪辱誓う先導役、鮮やかループで初得点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 履正社高 5-1 中津東高 駒場]

 時が止まったかのようなループシュートがネットを揺する。履正社高にとって、4点目となる華麗な一撃を沈めたDF小川明(3年)は自身の選手権初得点に喜びを爆発させた。

 3-1とリードして迎えた後半21分、左SBの小川はスルスルと前線へと上がって行く。FW瀧本高志(3年)からパスを呼び込むと、MF田中駿汰(2年)にボールを預けて自身は中央へと侵入。田中のリターンパスをダイレクトで合わせると、左足から放たれたボールはGKの頭上を抜いてゴールマウスへと吸い込まれた。

「イメージどおりでした。パス&ゴーを意識していたので、パスを出してリターンを受けるために動いたら、シュートエリアだったので。入ったときは、素直にうれしかったですね」と自身の得点シーンを振り返った。

 前回大会で初出場ながらもベスト8進出を成し遂げた履正社。当時の準々決勝に出場した選手が、この日も8人が先発したように昨年の選手権を多くの選手が経験している。その一人である小川は「去年は初出場でとにかくやるしかない、僕も2年生だったのでとにかく全力でやり切るしかない感じでした」と当時を振り返ると、「でも一度経験したことで、選手権の雰囲気には少し慣れてきたと思います」と今年は力みなく試合に臨めていると語った。

 現在はキャプテンマークを巻いて、チームの先頭を走っている。「僕はそこまで足下の技術があるタイプではないので、体を張ったり、あきらめない姿を見せていこうとしてきたし、チームメイトとしっかりコミュニケーションを取ることを意識してきました」と自身がキャプテンとなってから意識してきたことを話した。実際に「悩んでいる選手がいれば1対1で話したり、副キャプテンにも頼りながら、その悩みを解決しようとしてきました」と仲間との話し合いの場を持ちながら、チームを良い方向へと導こうと努力してきた。

 そして、チームは再び準々決勝の舞台へと戻ってきた。昨年はPK戦の末の悔しい敗戦を味わっているため、「去年はあと一歩のところで負けてしまい、この1年間、あと一歩の悔しさを忘れずに練習してきました」と1年間の思いを語ると、「目の前の一つひとつのプレーに気持ちを入れて、全力で戦いたいと思います」と視線を上に向けて話した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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