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[選手権]後半45分の劇的同点弾、そしてPK戦勝利!前橋育英が5度目の挑戦で初の決勝進出!!

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[1.10 全国高校選手権準決勝 流通経済大柏高 1-1(PK4-5)前橋育英高 埼玉]

 第93回全国高校サッカー選手権は10日、埼玉スタジアム2002で準決勝を行い、第2試合では流通経済大柏高(千葉)と前橋育英高(群馬)が対戦。後半27分にMF小川諒也(3年、F東京内定)のゴールで先制した流経大柏に対し、前橋育英は試合終了間際の後半45分にU-19日本代表MF鈴木徳真主将(3年)が同点ゴール。1-1で突入したPK戦を5-4で制した前橋育英が初の決勝進出を果たした。12日の決勝カードは前橋育英対星稜高(石川)に決定。どちらが勝っても初優勝となる。

 ともに全国屈指の選手層の厚さを持つ関東強豪対決。7年ぶりの全国制覇を狙う流経大柏に対し、前橋育英は5回目の準決勝挑戦で初となる決勝進出を目指して決戦に臨んだ。序盤はハイプレスと切り替えの速さによって高い位置でボールを奪うことに成功していた流経大柏が押し気味に試合を進める。10分には左サイド後方から小川が入れたFKにFW渋谷峻二郎(3年)がタイミング良く反応。ただ、これをGK吉田舜(3年)の鋭い飛び出しで対応した前橋育英は、先発復帰したCB上原大雅(3年)が対人の強さを見せるなど、決定的なシーンを作らせない。

 一方、前橋育英も10分を過ぎると、攻守両面での奮闘光る鈴木の配球から、バイタルエリアでU-19日本代表MF渡邊凌磨(3年)やMF吉永大志(3年)が前を向く回数を増やしていく。そして18分には左スローインを受けた渡邊が体重の乗った右足ミドルシュートを枠へ飛ばす。これは流経大柏GK瀬口隼季(2年)が横っ飛びでセーブ。ただ、前橋育英は23分にも右サイドのスペースで鈴木からのパスを引き出したFW関戸裕希(3年)が中央へグラウンダーのパスを入れると、FW青柳燎汰(3年)が右足シュートへ持ち込んだ。

 前橋育英は渡邊や左SB岩浩平(3年)がアグレッシブにシュート。ただ、出足良く相手のボールホルダーを潰すMF澤田篤樹(3年)とカバーリングのいいMF浅沼拓己(3年)のダブルボランチをはじめ、運動量多い流経大柏は流れを渡さない。逆に高沢とのワンツーからMF久保和己(3年)がPAへ割って入り、34分には小川、42分には高沢が左サイドから思い切ったシュートを放つ。そして44分には高沢がペナルティアーク右外でFKを獲得。小川が得意の左足で狙ったが、ボールはわずかにクロスバー上方へ外れた。

 流経大柏は後半開始から10番MF相澤祥太(3年)を投入。ボールが収まり、決定的なパス出しをする司令塔投入で勝負に出た。だが、先に決定機をつくったのは前橋育英の方。8分に最終ラインの背後へ飛び出した渡邊が左サイド角度のない位置から左足シュートを放つ。さらに9分には右サイド後方からのクロスボールがファーサイドの渡邊まで届き、背番号10はゴールマウス直撃の左足シュートを打ちこんだ。

 0-0のまま後半半ばを迎えた試合は、19分に流経大柏が“切り札”FW福井崇志(3年)を投入。対する前橋育英も21分に準々決勝でゴールを決めているMF横澤航平(2年)をピッチへ送り出す。互いに攻撃カードを切った中、27分にスコアが動く。流経大柏はハーフウェーライン付近から相澤がスペースへ縦パスを送ると、DFと競りながら走りこんだ小川がコントロールからGKの頭上を射抜く鮮やかな左足ループシュートを決めて先制した。

 前橋育英はサイドを起点に反撃するものの、集中力の高い流経大柏守備陣を崩すことができない。それでも後半45分、左クロスのクリアボールをPA外側でコントロールした鈴木が右足ミドル。DFに当たってコースの変わった一撃はそのままゴールへ吸い込まれて劇的な同点ゴールとなった。

 3分間のアディショナルタイムでスコアは動かずPK戦へ突入。先攻の流経大柏は2人目・高沢の左足シュートが右ポストを叩いてしまう。対する前橋育英は5人全員が成功。前橋育英が悲願の決勝進出を果たした。
  
(取材・文 吉田太郎)
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