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[選手権]ナビスコ杯決勝を越える観客数…敗れた前橋育英高MF鈴木主将「すごく幸せでした」

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[1.12 全国高校選手権決勝 前橋育英高 2-4(延長)星稜高 埼玉]

 4万6316人もの観客を前にプレーした。準優勝に終わった前橋育英高(群馬)のMF鈴木徳真(3年)主将は「もう『ありがとうございます』という感じでした」と微笑むと、「あれだけの観客の前で試合をするのは、プロとかでないと出来ないので。すごく幸せでした。緊張よりもワクワクの方があったんです」と振り返った。昨年11月8日に同じく埼玉スタジアムで行われたナビスコ杯決勝(G大阪vs広島)の観客数は、3万8126人。プロ選手でも簡単には味わうことができない大観衆を前にしてのプレーは「本当に幸せでした」という。

 PKで先制されて迎えた後半。「前線からプレスをかけていこう」と話し合い、前から果敢に走り回った。必死にボールを奪い、粘り強くプレーすると、後半8分からの3分間で2点の奪取に成功。2-1と逆転した。しかし、後半19分に失点すると試合は延長戦へもつれ込んだ。鈴木は「自分たちの流れのなかで点を取れたのは良かったが、そのなかで失点したのがもったいない」と悔しい表情で振り返る。

 その後は延長戦で2失点を喫し、2-4で敗戦。日本一の座を手にすることはできなかった。それでも前橋育英を初の決勝へ率いてきた主将は「もうつりそうなくらいに走ったので。悔いはないです」とキッパリ。「負けたのは悔しいけど、最後にこういう形で走りきれたので悔いはない」と改めて言い切った。

 山田耕介監督からは「上の代に比べてお前たちは弱い」と言われ続けるなか、選手たちは「監督を見返したい」「見返して、胴上げしたい」と口々に話していた。その願いは叶わなかったが鈴木は「あのおかげで自分たちはここまで来れた。なかったら、こんなに成長できなかったと思う」と指揮官の“叱咤激励”に感謝した。

 この日の試合では守備に奔走し、チームを支え続けた鈴木主将は、今春から筑波大へ進学予定だ。高校サッカーの先を見据えると、「もっとボールを受けて、攻撃のチャンスをつくれればいいなと。守備ではなくて前線に関われる選手になりたい」と強く意気込んでいた。

(取材・文 片岡涼)
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