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[選手権予選]広島観音との『決着戦』で逆転勝ち!広島皆実が3連覇達成!:広島

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[11.15 全国高校選手権広島県予選決勝 広島皆実高 2-1 広島観音高 広島広域公園第一球技場]

 第94回全国高校サッカー選手権広島県予選決勝が11月15日に行われ、広島皆実高が2-1で広島観音高を下し、3年連続12回目の全国大会出場を決めた。

 試合終了のホイッスルが鳴ったのは、ボールがちょうど広島皆実ベンチの前にあったときだった。河江俊明監督は両手を天に突き上げ、控えメンバーは一斉にピッチ内へと駈け出して仲間を祝福する。苦しんだ末の逆転勝利で達成した3年連続出場に、チームの誰もが喜びを爆発させた。

 2月の新人戦決勝は広島観音が1-0で勝ち、6月の総体予選決勝は広島皆実が1-0で勝って、1勝1敗で迎えた『決着戦』は、開始早々にスコアが動いた。立ち上がりから意欲的に攻め込んだ広島観音が、前半5分に早くも2本目のCKを得ると、MF合川和弥のニアサイドへのキックを、FW神車凱海がヘッド。うまくコースを変えたシュートが鮮やかにニアサイドに決まり、いきなり均衡を破った。

 勢いに乗った広島観音は、その後もセカンドボールの奪い合いで優位に立ち、追加点を狙って攻め込む。広島皆実は河江監督が「中盤でボールを拾えず、相手に制圧されていた」と振り返った通り、自陣での不用意なミスによるボールロストを多発するなど、なかなかリズムに乗ることができなかった。

 しかし、そうした状況で広島皆実は、一つのビッグプレーで流れを引き寄せる。25分、ゴールから約30m、やや右寄りの位置でFKを得ると、FW有國修平が無回転キックで直接シュート。「絶対に自分がゴールを決めようと思っていたので、強い気持ちでいくことができた。イメージ通りのキックでした」と語る一撃が鮮やかにゴール右上スミに決まり、同点とした。

 その後は一進一退の攻防が続き、前半は1-1で終了。後半も同様の展開だったが、11分に広島皆実はFW片岡永典を投入して左ウイングに置き、それまで左サイドだった有國を右に回した。この配置転換が奏功し、両ウイングの突破力を軸に広島皆実が徐々に主導権を握り始めると、20分に逆転ゴールを奪う。FKのチャンスをはね返された後、すぐにボールを奪い返し、MF藤井陸が前線中央にパスを送ると、待っていたMF藤井敦仁がDFと入れ替わってフリーに。「最初のタッチがうまくいったので、落ち着いてプレーできた」と振り返る藤井敦は、飛び出してきた広島観音GK塩谷将平を左にかわし、逆転ゴールを蹴り込んだ。

 逆転された広島観音は、選手交代などで攻撃のリズムを変えて同点を狙った。34分には神車がうまく抜け出してGKと1対1になる絶好機を迎えたが、広島皆実GK對川敦紀の好セーブに遭って決められない。その後もゴール前に迫るシーンは何度かあったものの、ネットを揺らすことはできず。結局、広島皆実が2-1で逃げ切って逆転勝利を飾った。
 
 広島皆実はこれで、2013年度の選手権以降、総体も含めて5大会連続となる全国大会出場となった。今年度のチームは、昨年度メンバーに入っていた選手がおらず、総入れ替えの状態でスタートを切っている。「何とか先輩たちを超えようと頑張ってきた」と河江監督が評価した奮闘の結果、全国総体出場を果たし、そこでも昨年度に並ぶベスト8まで勝ち上がった。

 そして今回、選手権出場でも肩を並べた。昨年度の選手権は、夏の結果を受けて期待を集めながらも、1回戦で尚志高(福島)に敗戦。河江監督は「まずは初戦。一つひとつやっていきたい」と、一戦必勝で昨年度超えを目指すチームの思いを代弁した。

[写真]「3」のポーズで3年連続出場を喜んだ広島皆実

(取材・文 石倉利英)

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