beacon

[MOM1645]帝京三MF村上光樹(3年)_前半右MF、後半FW…先輩亀川に憧れる万能選手が2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京三高3-0高松南高 ゼットエー]

 みんなを落ち着かせる先制点になった。前半13分、右サイドから上がったFW梅田至(3年)の右CKに走り込んだMFF村上光樹(3年)が豪快に頭で叩き込む。同35分にはゴール前で待っていた村上にこぼれたボールを冷静に右足で流し込み加点。初戦2得点の背番号11は、「最初は自分も固くて仕掛けられなかったけど、1点決めたことでだいぶ良くなった。流れが良くなった」と白い歯をこぼした。

 万能ぶりを見せつけた。大会3日前に2トップの一角であるFW小山駿(3年)が右足小指骨折のアクシデントに見舞われていた帝京三。しかしチームは臨機応変に対応。これまで同様に右サイドで先発していた村上だが、後半からはFWに入ってプレー。主力FWを欠いていることを感じさせない試合運びを見せた帝京三の1ピースとして、存在感を見せつけた。

 村上は東京都東大和市出身。高校から山梨に越境留学している。高校に進学する際は複数の候補の中から帝京三を選択。「全国に一番近いと思った」ことが理由。そして、「お前なら試合に出れる」と相良和弘監督に説得されたことも判断に影響した。当初、山梨での生活に馴染めず「さみしかった」とホームシックも経験したが、今では「家より居心地がいい」と完全にものにしている。

 高校の先輩であるDF亀川諒史は憧れの存在だ。高校時代、「スーパーな選手ではなかった」(相良監督)亀川だが、卒業と同時に湘南ベルマーレに入団。アビスパ福岡に期限付き移籍した今季は大きくブレークし、J1昇格に貢献。リオデジャネイロ五輪を目指す代表で主力級の活躍が期待されている。

 村上にとっては、亀川が大阪から帝京三に留学していたように、境遇も重なる部分が多い。「帝京三からあそこまで行けるんだと証明してくれた」と熱い思いを語ると、「自分の中では目標です」と目を輝かせた。

 山梨学院高を破った県決勝でも村上はゴールを決めている。「勝負強さ?ちょっとあるなと思っちゃっている。自意識過剰なので」と話すお調子者なところはあるが、「それを本当のものにしたい」と真面目に語る姿も様になる。「インターハイ16強で負けているので、それを超えたい」。チーム全体で掲げる明確な目標がある限り、帝京三が簡単に躓くことはない。

(写真提供『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015 

「ゲキサカ」ショート動画

TOP