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[MOM1687]國學院久我山DF戸田佳佑(2年)_年末主力組と離れて磨いた試合勘、交代出場DFが劇的V弾!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.9 全国高校選手権準決勝 青森山田高 1-2 國學院久我山高 埼玉]

 3分が掲示されたアディショナルタイム突入後の後半48分に決めた劇的ゴール。ヒーローとなった國學院久我山高DF戸田佳佑(2年)は自分たちが勝ち越しゴールを奪ったことを喜びながらも「自分が決めたということもよく分かっていないような状況だった」と振り返る。だが、「戻ってきてモニター見ながら」自分がゴールを決めたことを確認。残りわずかな時間を走りきって再び勝利の喜びを味わった。

 後半24分、戸田は清水恭孝監督から「勝負してこい」のメッセージを受け、左MFのポジションに送り出された。これまではリードしている状況での投入がほとんどでボールを収めること、チームを落ち着かせることが主な役割だったが、この日は1-1の場面。「きょう引き分けだったので点取ろうと思った」というようにゴールを狙っていた。それを後半48分に実現。そのゴールは準備していたからこそ、慌てることなく決めた。

 國學院久我山は右CKがファーサイドへ流れたが、これを拾った左SB山本研(3年)がシュート性のボールをゴール方向へ入れる。これを「完全に狙っていた。ああいう状況が前半にもあったので、後半も絶対来るだろうなと。ただ合わせるだけでした。予測していた」という戸田が右足ダイレクトで合わせると、國學院久我山を決勝へ導く一撃がゴールへ突き刺さった。

 戸田はDFから攻撃的なポジションまで務めるユーティリティープレーヤー。だが主力組に食い込むことができず、年末は主力組が静岡県の御殿場で調整していた一方、戸田は他の1、2年生の登録メンバー組(主力組を除く)とともに茨城県の波崎で開催された「横山杯 第16回全国ユース招待サッカー大会」に出場していた。悔しさは「ありました。御殿場行きたかったですけど」という戸田だが、「こっち(横山杯)で頑張ろうと。(総監督の)李さん来てくれていたし、実際に横山杯でもいいプレーしていたと思う。実際たくさん試合をこなしていたんで試合勘というのもつきました」と5日間で強豪校と計8試合を戦った横山杯で試合勘を養えたことが身体のキレを高め、この日の結果にも結びついた。

 チームを勝利に導いたが、本人は自分が勝たせたとは微塵も思っていない。手応えもない。だからこそ「切り替えて次頑張りたいですね」という決勝へ切り替えて、どのような形でもチームの優勝に貢献することに集中する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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