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[練習試合]東福岡を勝たせた謙虚さ、ひたむきさ…MF中村は優勝校の“武器”を高校選抜に注入して世界へ

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[2.8 練習試合 日本高校選抜候補 0-2 駒澤大 時之栖]

 第94回全国高校サッカー選手権で17年ぶりの優勝。全国高校総体と合わせて夏冬連覇を達成した東福岡高からはMF中村健人主将(3年)やGK脇野敦至(3年)ら6選手が日本高校選抜候補合宿に参加している。25分4本行われた練習試合では4本目に中村、MF三宅海斗(3年)、MF鍬先祐弥(2年)のトリオで右サイドを崩しにかかるなど選抜チームでも連係面の良さを発揮していた印象だ。

 その中で長短のパスで攻撃の中心になっていた中村は東福岡でこだわってきた良い部分を高校選抜チームに伝えたいと考えている。この日、選手権優勝校の主将として自然と選抜チームのリーダーの役割をしていた中村は「今まで東福岡が戦ってきた中で勝因は謙虚さだったり、ひたむきさ、チームのまとまりで優勝できたと思っているので、そういう部分をプラスしたい。実力ある選手プラスそういう姿勢がある環境だったら海外でも自分は戦っていけると思う。そういうチームにしていきたい」と意気込んだ。

 選手権では東福岡の挙げたゴールのほぼ全てに絡んでMVP級の働きを見せた中村。“当然”と言っていいほどの大会優秀選手、高校選抜候補選出だったが、本人は欧州遠征メンバー18人入りへ強い意欲を示している。「海外行くの初めてなんで。サニックス杯以外で海外のチームとやったことないですし。海外のチームとできるのは楽しみですし、行くことが自分の夢を、可能性を広げるチャンスと捉えているんでチームとしてやりながら個人としてもやっていきたい。(東福岡の選手たちとの連係は)慣れているというか形があるので、それプラス、ヒガシにいないような個性の選手も活かしていきたい。長所を知って活かしてあげるのも自分の特長だと思う。実力ある人が最後18人が残れるようにしていきたい」と力を込めた。

 個人としては全国優勝後は取材などで多忙だった。世界を驚かせた決勝戦でのトリックFKの反響は予想以上に大きかったという。「個人的には(FKで奪った)1点目よりもチームで取った2点目のほうが好きな形だった」と笑うMFはその後オフをとり、1月20日頃から来季へ向けて始動。今月はじめから進学する明治大に合流して準備を進めている。そしてコンディションを上げて今回の合宿に挑戦してきた。大学での活躍の前にまずは高校選抜で結果を残すこと。東福岡を勝利へ導いた謙虚さ、ひたむきさなどの“武器”を高校選抜に注入して世界で勝つチームにする。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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