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[選手権予選]総体予選8強の幕張総合は流れ失いかけても白星離さず!日大習志野退けて2回戦へ:千葉

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後半11分、幕張総合は交代出場のFW豊田(13番)が2点目のゴール

[10.8 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 幕張総合高 2-0 日大習志野高 習志野高G]

 8日、第95回全国高校サッカー選手権千葉県予選決勝トーナメント1回戦1日目の6試合が行われ、総体予選8強の幕張総合高対日大習志野高戦は幕張総合が2-0で勝利。幕張総合は11月3日の2回戦で長生高対千葉明徳高戦の勝者と戦う。

「きょうはあまりいい試合ではなかったですけど、カップ戦では勝っていかなければいけない。いい経験と次のステップになれば」。幕張総合の島田洋監督は試合内容に関しては満足していなかったが、それでもしっかりと白星を勝ち取ったことについて頷いていた。

 幕張総合は前半11分、MF三上凌(2年)が右サイドから高い軌道のクロスボール。これをファーサイド、やや角度のない位置から左MF佐々木良輔(3年)が左足で叩き込んで先制する。幸先良くリードを奪った幕張総合は185cmの長身FW松澤寛政主将(3年)を起点に前向きにゴールヘ迫ってくる佐々木やMF坂口裕樹(3年)が日大習志野の中盤を振り切って2点目を目指す。だが、島田監督が「プレスがちょっと甘くなって下がってしまったことと、逆にボールを蹴る時にスペースが見れなくなってしまっていた」というチームは前後半ともになかなか効率的なビルドアップができず、思い通りに試合をコントロールすることができない。

 対する日大習志野は雨中でテンポのいいパスワークを披露。そして10番MF村松航希(2年)の右足シュートやFW横山舜(3年)の抜け出しからゴールへ迫る。幕張総合は29分のピンチをGK浦田龍汰朗(2年)の好守で逃れると、逆に前半終了間際、FW大塚直人(3年)の折り返しを坂口が決定的な形で合わせたが、決めきることができない。

 後半、幕張総合は立ち上がりから「自分がゴールを決めればチームは勝てると思っている。きょうはペナ内に入っていくよりもロングシュートが増えてしまったけれど、何としても1点が欲しかったし、点を取ることがチームを乗せると思った」という大型FW松澤が前線でボールを良く収め、前を向くと遠目の位置からでも積極的にシュートを狙っていく。

 だが、後半開始から快足FW岡本拓海(2年)を投入した日大習志野は抜群のスピードで何度もスペースを突く岡本が幕張総合を押し下げる。そして7分には右CKから村松が決定的なヘディングシュート。ボールはゴールラインを越えかけていたが、幕張総合MF佐々木が紙一重のところでかき出す。すると幕張総合は11分、坂口の絶妙な右アーリークロスで「練習からずっと調子が良かった」(島田監督)という交代出場の2年生FW豊田吏央が抜け出し、GKとの1対1を制して貴重な2点目を決めた。

 この後、勇気を持って1タッチを交えたパスワークを展開していた日大習志野が攻める時間を増やす。16分には左アーリークロスで岡本が抜け出したものの、シュートは再び浦田に阻まれ、こぼれ球を狙った村松のシュートも外側のサイドネット。その後も村松や岡本がスピードを活かしてゴールに迫るが、シュート精度をわずかに欠いて得点することができない。逆に終盤は、3バックから4バックに移行した幕張総合がしっかりと試合を締めて2-0で終了。幕張総合が2回戦へ駒を進めた。

 流れを失いかけても粘り強く守って初戦を突破した幕張総合の松澤は「無失点で抑えることをチームは第一に考えていて、前半早い時間帯にチャンスがあって得点できたことは良かったですけど、そこから追加点取れない苦しい時間が続いて、雰囲気的にも少しナイーブな方向に進んでしまったのが、良くなかったところだと思いますね」。それでも「全体的に初戦の硬さもあって動き的にも良くなかったんですけど、ハーフタイムに一人ひとりが全力でやることと、目先の結果よりも一つひとつのプレーをできることをしっかりやるという話をしてから締まった」というように、自分たちのやるべきことをしっかりやり続け、また「全部員応援来てくれた。今回入っていないメンバーが(競争を経て)次入ってもらえるように」(佐々木)という思いも日大習志野の反撃を凌がせる力となり、白星をもたらした。

 チームは今年、役職による隔たりをなくすために、3年生の副キャプテン6人を置いている。「副キャプテンにもキャプテンらしさをもっていたり、そうじゃない人も一人ひとりがリーダーシップをもってやっていると思っています。これから一つひとつ厳しい戦いになっていくと思う。最終的に全員が笑って、いい結果を残したい」と松澤。かつて全国高校総体やプリンスリーグ関東に出場した実績を持つ強豪が全員で千葉の覇権を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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