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[選手権予選]延長V弾決めた専大北上の10番FW齊藤「試合の中で一番速かった」歓喜のダッシュ!

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延長後半6分、専大北上高FW齊藤大河が決勝点を喜ぶ

[10.26 全国高校選手権岩手県予選準決勝 盛岡商高 2-3(延長)専大北上高 いわぎんスタジアムA]

「試合の中で一番速かったですね」。延長戦後半に決勝点を決めた専大北上高FW齊藤大河(3年)は、応援スタンドに向かって走った数秒間について笑顔で振り返った。100分間の激闘も忘れるほど“速く”10番を走らせた歓喜。直前のビッグチャンスでシュートミスしたほか、「きょうは正直悪いですね。前半もっと球離れよくしていけと言われていたけれどキックミスがあったり、ポジショニングもよくなかった」という齊藤だが、決勝点で全てを挽回した。

 延長後半6分、齊藤はFW蟻田幸希(3年)の右CKでニアサイドにポジションを取ると、上手くDFの前に入って右足ダイレクトでボールを合わせる。クリーンヒットした訳ではなかったものの、見事にコースを突いた一撃がゴール方向へ。ボールがゆっくりとゴールヘ吸い込まれるまで「自分も固まってしまっていた」というFWはそれがゴールラインを越えると、会心の表情で走り出した。そして力をくれたスタンドのチームメートたちと喜びを爆発。最高の瞬間を味わった。

 身長は先発11人で最も小柄な163cmで細身。だが、相手を巧みにいなしてドリブルで前進し、決定的なチャンスも作り出した。普段、プリンスリーグ東北で戦う盛岡商高相手に個で通用していた一人。「華奢な方なのでぶつかれたりする時はよけるというか身体の位置とか工夫していますね」。もちろん、身体を張るべきところで張る。確かに普段は“軽く”も映りがちなプレースタイルだが、それでもフィジカルコンタクトを上手く避けながら攻撃センスを発揮する10番は決勝でもキープレーヤーのひとりになるだろう

 初優勝を懸けた遠野高との決勝へ向けて齊藤は「もっと泥臭く、もっと行けたと思うのできょうよりも泥臭く行きたいと思います」。入りの悪さも修正して、開始から全力で戦い抜き、準決勝以上にゴール、白星を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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