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[選手権予選]磐田内定の昌平MF針谷が2得点演出、注目の中「見本となれる選手になりたい」

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取材に応える昌平高MF針谷岳晃

[10.29 全国高校選手権埼玉県予選3回戦 昌平高 3-0 埼玉栄高 昌平高G]

24日のジュビロ磐田加入内定会見から5日、昌平高(埼玉)のU-19日本代表MF針谷岳晃(3年)が選手権予選初戦を迎えた。対戦した埼玉栄高が昌平のキーマンである針谷に対してマンツーマンディフェンスを敷いてくる中、針谷は自由なプレーをさせてもらえなかったが、その中でも巧みな身のこなしとテクニックでボールを失わず、スルーパスなどでチャンスメーク。前半には全国高校総体の東福岡高戦で決めている得意の直接CKからゴールを狙った。

「コーナーで入れておいたら相手のGKも(心が)折れるんで、そこは狙っています。対策されているんで、それでも決められるように練習からやっている」。全国総体では1回戦の中津東高戦でもCKから直接ゴール。彼がボールをコーナーにセットしただけで客席は沸き始めていた。右足から放たれたボールは強風の影響もあってか、クロスバーのわずかに上方へ。本人は「結構考えてやっていたんですけど越えちゃいましたね」と苦笑いしていたものの、“いつでも狙える”CKは選手権でも対戦相手の脅威となりそうだ。

 CKからのゴールこそなかったものの、針谷は後半、2ゴールを演出する。14分、PAへの縦パスをMF佐藤大誠(3年)へ通すと、その落としを受けたFW本間椋(3年)が先制ゴール。「ああいう崩しは練習中から意識してやっているんですけど、試合で出せるのは自分たちの力がついている証拠だと思うんでそれはいいと思います」と振り返った針谷は、さらに2-0で迎えた29分にも右サイドへ抜け出した本間へ絶妙なスルーパスを通す。これを本間が中央へ折り返し、MF松本泰志(3年)がダメ押しとなるゴールを破った。

 夏の全国高校総体では初出場で3位。自身はU-19日本代表入りを果たし、磐田内定を勝ち取るなど飛躍の大会となった。だが、満足感よりも悔しさの方が大きかったという。目標はあくまで日本一。だからこそ、「まだ日本一という目標は達成していない。今は埼玉県の予選で優勝することを目標にしている」と力を込める。

 注目の中でそれに応えるようなプレーをして、さらに成長していく決意。「見本となれる選手になりたい。取られないところとかの判断をしっかりできる選手になって、しっかりゲームのコントロールができればチームは勝てると思っている」。U-19日本代表のチームメートたちはアジアで頂点に輝いた。そこに食い込んでいくことも目標。日本一へ、年代別日本代表へ、磐田入りする前にやらなければならないことがまだまだあるだけに、立ち止まっている暇はない。

(取材・文 吉田太郎)
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