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[選手権予選]伝統校・前橋商復活のキーマン、右SB木村主将が決勝アシスト

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[10.30 全国高校選手権群馬県予選準決勝 前橋商高 1-0 新島学園高 敷島公園サッカー・ラグビー場]

 前橋商高は苦しい展開の中でも存在感を発揮していた右SB木村海斗主将(3年)が決勝点をアシストした。0-0の後半39分、木村は右サイドからグラウンダーのクロス。「前半ちょっと上げてGKにキャッチされたりというのがあったので、次はグラウンダーの低いクロスを上げようと思っていました」という主将の選択はズバリ当たり、これをニアサイドでコントロールした10番MF金枝晃平(3年)が右足で劇的な決勝点を決めた。

 今春まではCB。だが、「自分結構中学の時は攻撃専門だったので、SBになってチャンスあればどんどん攻めて行こうと思っています。流れを見て、スペースがあったらそこにタイミングよく入っていこうと思っています」という木村の攻撃力は前橋商にとって大きな武器となっている。笠原恵太監督も「(ハーフウェーラインを越えて)あそこのところへボールを持って行ければチャンスになる」と厚い信頼を口にしていたが、スピードを活かした攻撃参加から一気にクロスまで持ち込む木村の存在は、同じくサイドへ抜け出してクロスをFW星野周哉(3年)とともにチームの生命線となっている。

 この日はやや相手に主導権を握られる中で攻撃参加は少なめだった。本人も「前半もう少し行けた気はするんですけど、守備からということが頭にあった。もう少し行けたら良かったです」と振り返る。それでも、ここぞの場面で決勝点をアシスト。そして後半アディショナルタイムには相手CKのサインプレーを読み切ってインターセプトすると、自陣PAから敵陣のコーナー近くまで独走した。知名度はそれほど高くないかもしれないが、全国レベルの好SB。その脚力と167cmと小柄ながら決定的なヘディングシュートを放っていた空中戦の強さ含めて、決勝では攻守のキーマンとなりそうだ。

「気持ちを切らさずに(決勝までの)一週間しっかり準備したい。まず守備からしっかりリズムをつくってそこから攻撃に繋げていければいい」。伝統校の悲願成就へ、主将がサイドを走り回る。

(取材・文 吉田太郎)
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