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[MOM1955]広島皆実MF藤原悠汰(2年)_皆実の“牛若丸”、10人の人壁無力にするFK弾

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前半27分、直接決めたFKでのゴールを喜ぶMF藤原悠汰。後方の広島皆実高ベンチも興奮の一撃

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.20 全国高校選手権広島県予選決勝 広島皆実高2-1瀬戸内高 広島広域公園第一球技場]

 ゴール正面、PAのすぐ外からのFKのチャンスでキッカーを任されたのは、広島皆実高の先発メンバーで唯一の2年生アタッカー、MF藤原悠汰だった。瀬戸内高はフィールドの10人全員で人壁を作っていたが、右足から放たれたボールは人壁のすぐ上を越えながら鋭く曲がって落ち、GKを一歩も動かせずにネットを揺らした。

 序盤からチャンスを量産しながらも得点できない展開で飛び出した、貴重な先制点。曲げて落としてゴールを狙うのに難しさもある近距離だったが、本人は「得意な距離。壁の前に2人立ってもらって、GKに自分の動きを見えなくしてもらったので、コースに打てば入ると思った」と振り返る。仲元洋平監督の「あの位置でFKを取った瞬間、『来たかな』と思った」という期待に応えた自信の一発。1-1で迎えた後半にも同じような距離からのFKを直接狙い、こちらはクロスバーに当たって決まらなかったが、4年連続出場が懸かった大舞台で持ち味を存分に発揮した。
 
 瞬間的なスピードで相手を翻弄する突破力と、FKで実証した力強いシュートは、身長163cmのサイズと相まって、牛若丸を思わせる。総体予選では先発出場の機会もあったが、その後は「練習で調子を落として、交代でも3番手まで落ちて、悔しい思いをした」。本大会では初戦の2回戦で後半残り6分から出場するも、シュートゼロに終わり、チームもPK戦で敗れた。雪辱を期した選手権予選では先発に復帰したものの、準決勝まで無得点。「ゴールを決めなければいけないと思っていた。今日は絶対に決めて、自分がヒーローになるという思いでプレーした」という決意を結果で示し、勝利の立役者の一人となった。

 仲元監督が「全国大会と、来年からのチームを引っ張ってもらう選手」と期待を寄せる存在。2年連続初戦敗退からの巻き返しを目指す本大会に向けて「しっかり積み重ねていって、もっと活躍できるようにしたい」と語り、本番までのさらなる成長と、勝利への貢献を誓った。

(取材・文 石倉利英)
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