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“攻守で魅せる”青森山田GK廣末、『武器』を磨くために取り組む練習とは…

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攻守に貢献する青森山田高(青森)GK廣末陸(3年)

[1.5 全国高校選手権準々決勝 正智深谷1-3青森山田 等々力]

 久し振りの失点となった。公式戦5試合連続無失点で準々決勝に臨んだ青森山田高(青森)の堅守を支えるのが、最後方に構えるGK廣末陸(3年)だ。この日も好セーブを見せてゴールを守っていたが、後半33分に公式戦6試合ぶりの失点を喫してしまう。

 正智深谷高(埼玉)がショートコーナーからクロスを送ると、DF田村恭志(3年)がヘディングで合わせる。叩き付けられたボールにDF中村友空(2年)が飛び込むと、反応した廣末も距離を詰めるが、ボールはそのまま誰にも触れることなくゴールマウスに収まった。

「失点したことについては反省しないといけない」と唇を噛みながらも、「ただ、ここで逆に失点したことでチームがまた締まる。そういう部分をポジティブに捉えて修正していきたい」と下を向くことなく、視線を上に向けた。

 自身の持ち味は「シュートストップとフィード」と語るように、攻撃の組み立てでも大きく貢献する。右足から蹴り出されるボールは凄まじい勢いで、さらに正確に味方へと届けられる。レーザービームを思わせる軌道に、観客からはどよめきが起きるほどだ。しかし、この日は「あまりうまくいかなかった」と振り返る。「1本、1本をしっかりプレーしないといけないと思っているので、1本でもミスがあったら満足できない。キック1本で流れが変わるし、1つのミスが勝敗を左右するので、そういう意味ではもっと深く考えないといけない」とどん欲な姿勢を示した。

 フィードの精度、飛距離などを伸ばすために、シュート練習に取り組んでいると語る。「インパクトの部分と飛距離を伸ばすという部分では、フルでボールを蹴らないといけないので、インパクトの意識をするためにシュート練習をしている」。小学生まではFWでプレーしていたため、キックは「武器としてあった」ようだが、そこをシュート練習でさらに磨き、観客を沸かせるまでのフィードを手に入れた。

「優勝するために来ている」と語る頂点まで、あと2つ。FC東京加入内定が決まっているGKは、チームに初の選手権優勝をもたらすため、攻守での貢献を誓う。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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