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清水内定の“大器”、興國MF西村は約3週間の清水練習参加で周囲驚くほどの変化

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来季の清水エスパルス加入が内定している興國高MF西村恭史

 元愛媛の内野智章監督や興國高(大阪)の選手たちは、約3週間ぶりに合流したMFのプレーを見て、「次元が違う、凄い」と思ったという。

 来季の清水エスパルス加入が内定しているMF西村恭史(3年)}は、8月中旬に開催された出雲カップまでの約3週間、清水に練習参加。この3週間で西村は清水の強化部、来季のチームメートたちを「本当に高校生!?」と驚かせるほどのプレー、成長を見せていたという。また、教え子について「ホンマ、日本にはいないです。184cmあって自分で行けるボランチはいない」と語る内野監督も、西村のプレーを久々に見て、その変化に衝撃を受けたことを口にしていた。
 
 西村は「僕的にはまだまだミスもあるし、ボランチとしていいコーチングとかまだまだ足りないかなと思っている」と語る一方で、清水の練習に参加したことでボールを取られない部分や長身を活かしたヘディング、キック力の部分など自信を深めている様子だった。

 高校入学後に身長が10cm伸びた西村は今年、その技術力の高さも合わせて注目度が急上昇。内野監督が「ヘディングの打点は高いし、両足ワンステップでサイドチェンジできるし、ミドル決めれるし、FK決めれるし、ドリブルシュートできるし、スルーパス出せる」と評する大型ボランチが、獲得を目指した複数のJクラブの中から清水を選んだ理由は「レベルの高い練習ができて、個人としても上手くなると思った。環境も凄く良い」と感じたからだった。

 評価が高いとは言え、プロの中に入れば課題は自然と見えてくるもの。3週間の練習参加の中で、西村は清水のMF竹内涼やMF六平光成といったボランチのキープ力の高さや判断スピードの速さを見て差を感じ、また自身の課題である守備のレベルアップの必要性を痛感していた。

 プロで活躍するためにクリアしなければならない課題はまだまだあるが、清水入りが決まったのに続き、9月のU-18日本代表候補合宿メンバーにも選出。所属チーム以外からも高い評価を得ている。そのMFについて興國や清水は“和製ポグバ”、フランス代表MFポール・ポグバのようなスケール大きい選手へ育っていくことを期待。本人も「(ポグバのプレーは)結構見たりするんですけど、シュートも上手い。背がデカくて足元もあるのは、あんまりいないと言われている。そこはウリというか、質を高めていきたい」と世界的名手を目指していく意気込みだ。

 インターハイでは大阪府予選5回戦で履正社高に2-3で逆転負け。西村は相手にマンマークされる中、ボールを受ける回数を増やせず、思うようなプレーが出来ないまま全国出場の機会を逃している。夏の悔しさをぶつけて、今月スタートする選手権予選を勝ちぬいて清水へ。「(清水のサポーターには)攻守にかかわって、守備でもボール奪って、攻撃では点取って行くところを見てもらいたい」と語る大型MFがこの冬、まずは選手権の全国舞台で実力を証明する。

(取材・文 吉田太郎)

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