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[MOM2219]湘南学院DF鈴木凱斗(2年)_緊急出場のCBが完封!試合後は欠場の先輩DFに「次、お願いします!」

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緊急出場で完封勝利に貢献した湘南学院高CB鈴木凱斗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 選手権神奈川県2次予選2回戦 横浜創英高 0-1 湘南学院高 湘南学院高G]

 先発出場が決まったのは試合開始直前。湘南学院高は最終ラインの柱であるCB大山輝士(3年)の負傷の状態が芳しく無く、先発が見送られることになり、当初メンバーリストでは「交代」欄に○のついていたCB鈴木凱斗(2年)が先発出場することになった。

 十分な心構えができていなかったという2年生DFが「緊張がありました」と苦笑するのは当然だ。だが、「大山くんには『頑張ってこい』『勝ってきて』と言われました」と送り出された鈴木は、先輩DFの思いを背負ってピッチに立ち、懸命のディフェンスを見せた。

「パス出された時に予測してインターセプトを狙って取ろうと思いました。もし取れなかったら裏のケア、カバーとか入って対応しようと考えていました」という鈴木はポゼッションスタイルの横浜創英高の攻撃に集中して対応。背後を取られることなく守り続けていた鈴木は、前線へ放り込んでくるボールの大半も、ヘディングで競り勝っていた。

 チームメートからの声援も力に勇気づけられたDFは得意のキックこそ、思うようなボールを蹴ることができなかったと反省していたが、終盤にパワーを持って攻撃してきた相手を最後まで跳ね返し続けて完封勝利。同学年のMF井内悠人(2年)が「良かったですよ、ガッツあるんでこういう時に頼りになる」とメンタリティー含めて賞賛すれば、高村一也監督も緊急出場ながら、役割を完遂したDFを「良くやってくれた」と評価していた。

 試合後、鈴木は大山に対し、「自分から声をかけました。『次、お願いします』って言いました」と微笑。1か月後の3回戦までに復活するであろう先輩DFに、預かっていたCBのポジションを早くも返還していた。

 勝利したことで、重圧から解放された。ただし、この日の完封勝利が本人にもたらしたモノもある。「きょうの試合で『自分、まだまだできるんだ』『通用する』と思って、もっともっとやって先発になれるくらい頑張りたいと思います」。代役ではなく、競争を制してポジションを勝ち取るために、自信をつけたCBは次戦までの1か月間、トレーニングでアピールする。

(取材・文 吉田太郎)
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