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[MOM2259]東海大仰星DF金川楓(3年)_攻守で存在感示した左SBが2発!

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CKのこぼれ球を押し込む東海大仰星高DF金川楓(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 選手権大阪予選6回戦 東海大仰星高 5-0 大冠高 J-GREEN堺]

 押し込みながらも思うようにゴールが奪えず、苦しんだ東海大仰星高を救ったのは左サイドバックを務めるDF金川楓(3年)だった。「オーバーラップしてからのアシストだったり、1対1で絶対に負けないように意識している」と話す金川はこの日、中学時代からのチームメイトである一列目のMF西田幸誠(3年)がボールを持てば、タイミングよく西田を追い越し、クロスから好機を演出。守備でも対面の選手に決定的な仕事をさせず、試合を進めていった。

 攻守で存在感を示す中、見せ場が訪れたのは、前半21分。「昨年、サイドバックをやっていた大東史明クンが試合中ずっと動き続けるタイプだったので、同じように動き続けていれば、点を決めれるかなと思っていた」と振り返る金川は、後方からMF大嶋佑(3年)が入れたボールに走り込み、先制点をマークする。

 さらに後半24分には、左CKのクリアボールに真っ先に反応しつつ、「(藤原)拓未がこぼれ球の近くにいたけど、体勢が悪かったので、体勢が良かった自分が打った方が決まる可能性があると思った」と落ち着いて合わせた一撃がゴールネットを揺らした。

 元々、「危機察知能力が高い選手で、チームのために身体が張れる」(藤原)と守備面での評価が高い選手だが、攻撃面でも持ち味を発揮し、この日は2ゴール。攻撃陣の結果が出ない状況で、呼び寄せた歓喜は価値のあるモノとなった。

 下級生の頃からAチームに絡んでいた金川だが、昨年は納得の行かないシーズンを過ごした。6月のインターハイ予選決勝リーグ第2節・履正社高戦では、怪我を負った先輩に代わって途中出場を果たしたが、「僕の力がなかったので相手に狙われてしまい、攻撃を跳ね返せなかった」結果、0-1で敗れ、全国行きを逃がした。

「先輩たちに迷惑をかけてしまった」以降も出場機会をコンスタントに得ていたが、冬は選手権予選前に右ひざを負傷し、再びスタメンの座から外れた。選手権は登録メンバーに入ったものの、指定席はベンチ。金川は「勝っていくうちに素晴らしい集団になっていき、僕の入る余地はないと思ったので、来年に恩返しができればと思っていた」と振り返る。

 主力として確固たる地位を築く今年は、インターハイ出場に貢献し、昨年の悔しさは一つ晴らした。次なるターゲットは選手権出場。「最近は夏冬ともに全国へ出た大阪のチームはないので、冬も全国に出て、昨年の先輩たちの成績を超えたい」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2017

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