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[MOM2261]履正社FW町野修斗(3年)_要所で2得点。横浜FM内定FWがエースの面目躍如

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履正社高の横浜FM内定FW町野修斗は2得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.25 選手権大阪府予選6回戦 履正社高 2-0 関西大北陽高 J-GREEN堺]

 エースの面目躍如でチームを8強に導いた。第96回全国高校サッカー選手権の大阪府大会は、台風21号の影響により順延した6回戦のうち2試合を25日にJ-GREEN堺で行い、横浜FM加入内定のFW町野修斗(3年)を擁する履正社高は2-0で関西大北陽高を下して準々決勝へ駒を進めた。

「来年からマリノスでプレーする選手として相応のプレーをしなければいけないというプレッシャーは感じていますけど、そういうものを感じないと上手くなれないし、次のステージに上がれない。責任感を持ってプレーしたいと思っている」と話した町野は、前半の立ち上がりと試合終了間際にゴールを決め、チームの勝利に大きく貢献した。先制点は、長身を生かしたヘディング。追加点は、相手の背後へ抜け出てGKとの1対1を冷静に決めた。

 町野は、身長184cmの大型ストライカー。両足から繰り出す正確なキックでゴールを陥れる。三重県出身で、中学時代に所属したFCアヴェニーダソルでは中盤でプレー。足下の技術や展開力も秀でている。今年、日本高校選抜とU-18日本代表候補に選出された期待の逸材で、今月5日には来季の横浜FM加入が発表された。

「プロでも前のポジションをやりたい。中盤に下りて(組み立てに)参加できて、ゴール前に行って点を取れる選手になりたい」と将来像を描いている。現在の目標は、日本代表FW大迫勇也(ケルン)。ポストプレーの精度を見習いたいと思っているという。

 組み立てとフィニッシュ――実は、先制点の前に理想の形があった。中盤に顔を出してターゲットとなった町野が味方から縦パスを受け、右サイドに展開。右MFがドリブルで持ち上がると、低いクロスに町野が飛び込んだが、シュートはゴールの枠を外れた。

 町野は「あれで決められたら完ぺきだったんですけどね……」と苦笑いを浮かべた。さらに「今度、あの形が来たら決めたい。あの最初のチャンスを外してしまったし、その後にヘディングで(先制点を)決められたけど、その後にまたチャンスで2本外してしまった。最後にもう1点決められたけど、4点を確実に決められるチャンスがあったので、悔しさが残ります」と自身に課題を突き付けた。

 チームの調子が良くないときに、仲間を活気付けられない面など、まだ改善したい部分はたくさんあるようだ。しかし、プロ内定選手として注目され、エースとしてチームをけん引する中で得られる経験は、町野が持つスケール感をさらに大きくしてくれるに違いない。チームは負傷離脱者が多く、ボランチの坂本樹(3年)もその一人だ。

 町野は「この先は、どのチームも強い。先は見ていられない。一戦一戦、一丸になって勝ちたい。全国大会まで進めれば(回復して)戻って来られる選手もいる。特に坂本は3年生で悔しいと思うので、自分が、チームとしても戻って来る場所を作れるようにしたい」と仲間の思いを背負って勝ち進む心意気を示した。高校での集大成となる大会で、町野はさらにひと皮むけようとしている。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2017

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