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[MOM2317]実践学園FW武田義臣(3年)_“一番走る”10番に「ご褒美」2試合連続の延長V弾

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FW武田義臣(3年)が2戦連続の決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.11 選手権東京都Bブロック予選決勝 國學院久我山高 0-1(延長) 実践学園高 駒沢]

 準決勝から2試合連続で延長戦にもつれ込んだ。後半31分にMF浦寛人(3年)が一発レッドで退場。10人で限界まで走り、粘り強く戦うと、スコアレスで迎えた終了間際にFW武田義臣(3年)が2戦連続の決勝ゴール。実践学園高に劇的勝利をもたらした。

 PK戦に突入するかと思われた延長終了間際に劇的な展開が待っていた。MF山内稔之(2年)が祈りを込めて左足で右CKを蹴り込むと、ファーサイドのDF人見隼斗(3年)がヘディングで折り返したボールがクロスバーを直撃。跳ね返ったボールが武田の目の前でバウンドし、「折り返しを狙おうとしていた」とヘッドで押し込んだ。チームに土壇場で勝利をもたらす値千金の決勝ゴール。「最高でしたね」と笑顔を弾けさせた。

 最前線で泥臭く走り抜いた武田の前にボールがこぼれたことに、深町公一監督は「彼が一番走っている選手だと思う。神様がいるかは分からないけど、彼の頑張りが最後のご褒美だったのかな」とチームへの貢献ぶりを称賛。キャプテンDF尾前祥奈(3年)も「まだ試合中だったけど涙が出ました」と武田の活躍を心から喜んだ。

 実践学園は代々、主将が10番を背負う伝統がある。今年も当初は尾前が背負っていたが、尾前から期待を込めて10番を託された。「今まで全然点が取れていなくて、ほかの選手に助けてもらっていた」と武田。ゴールが取れない期間はFWとしての苦しみとともに、“10番”が重くのしかかることもあったが、プレッシャーを跳ね返した。

「10番をつけていることで、自分が決めてチームを勝利に導きたいという強い気持ちを持ってプレーしていました」。準決勝、決勝と連続で劇的な決勝ゴール。本人は「それなりに10番に近づけたんじゃないかな」と控えめだったが、背番号にふさわしいパフォーマンスでチームを救った。

 インターハイでは初戦敗退。雪辱を誓う選手権で、チームはベスト8を目標に掲げている。役割は変わらず、チームのために走ることとゴールを奪うこと。「運動量を生かしてチームのために走ることを意識しながら、最終的には自分がゴールを決められたらなと思います」と、選手権の舞台を心待ちにしていた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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