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今年も選手宣誓担当の王者・青森山田、「去年同様」プレミアリーグで勢いつけて国見以来の全国連覇に挑戦

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健闘を誓い合う青森山田高小山内慎一郎主将(左)と草津東高田原稜史主将。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 第96回全国高校サッカー選手権の組み合わせ抽選会が20日に都内で行われ、00、01年度の国見高(長崎)以来となる全国連覇に挑戦する前回王者・青森山田高(青森)は草津東高(滋賀)と初戦(18年1月2日)を戦うことが決まった。

 青森山田にとって草津東は00年度に初めて4強入りした際、準決勝で対戦している相手。累積警告による出場停止もありベストメンバーを組めなかったという青森山田は0-2で敗れて決勝進出を逃している。草津東のDF田原稜史主将(3年)は「前年度優勝校の青森山田高校にチャレンジャーという気持ちを持って戦いたい」と意気込んでいたが、青森山田にとってもモチベーションの高い戦いになりそうだ。

 青森山田の黒田剛監督は「プレミア(リーグ)を通じて手応えもある。(怪我や累積警告など)悪い状況が出ないように。上手くコンディションを整えて入りたい。まずは去年の鵬翔戦(5-0で勝利)のように初戦に全て注げるようにしたい」と力を込めた。

 インターハイはV候補同士の対戦となった東福岡高(福岡)との初戦を3-1で制したが、選手権決勝の再戦となった前橋育英高(群馬)との3回戦を1-3で落とし、敗退。セットプレーで失点をしないことを目指してきたチームが、セットプレーで同点ゴールを献上するなど逆転負けを喫してしまった。

 主将のCB小山内慎一郎主将(3年)は「夏の連戦の弱さだったりチームコンセプトの徹底ができていなかった」と振り返る。だが、「そこでチームが一皮剥けて選手権勝つために、プレミア勝つために変わったと思う」と説明したように、敗戦がチーム力を高めるきっかけになった。プレミアリーグEASTでは9月10日の第12節から4試合連続無失点。チームはプレミアリーグEASTとチャンピオンシップを制した昨年同様、優勝争いを演じている。

 今年も神戸内定MF郷家友太(3年)や山形内定FW中村駿太(3年)をはじめ、攻守に力のある選手が揃い、彼らが切り替えの速い攻守や相手にシュートを打たせない守備などを徹底する強さがある。小山内が「(プレミアリーグを制して)去年同様、良い形で入る。そこが目先の目標ですね」と語ったように、プレミアリーグを制して選手権に入ることができれば、昨年同様に自信を持って、さらに勢いにも乗って選手権に臨むことができそうだ。

 この日、「昨年同様」の部分が一つ加わった。抽選会の最後に女優の高橋ひかる(大会応援マネージャー)が開会式の選手宣誓を担当するチームの番号を引くと、手にしたカードには「1」の文字。組み合わせ番号「1」の青森山田が選手宣誓を担当することになった。青森山田にとっては昨年のMF住永翔主将(現明治大)に続く2年連続の選手宣誓。それまで、初戦の草津東との対戦のことや、長崎総合科学大附高(長崎)や未定の千葉県代表が同じブロックにいることが気になっていたという小山内は、それらが頭から吹っ飛ぶような感覚になったそうだ。

 それでも、昨年は住永の選手宣誓から始まり、決勝戦まで戦い抜いて初優勝。チームにとっては“吉兆”となる可能性もある。青森県予選決勝後に「選手宣誓は無理ですよ」と苦笑していた小山内も意を決して「まず、みんなの印象に残るような選手宣誓をしたい。去年は 『パルティード・ア・パルティード』(スペイン語で1試合、1試合の意)という印象的な部分を残してきたので、見ている人や観客の人の記憶に残るフレーズを入れていきたいと思っている」と語った。

 大役を任されることになった小山内だが、まずは目の前の一日一日のトレーニングに集中してチームメートたちとともにプレミアリーグと選手権を勝ち抜く力を身につける。「(選手権では)王者としてという部分もあるんですけれども、チャレンジャーという気持ちも持って戦わないといけない。優勝したのは去年の代。今年の代は結果もタイトルも残していないので、自分たちはチャレンジャーという気持ちを持ってやりたい」。話題となった昨年の住永に続く選手宣誓も注目だが、王者は昨年を上回るような準備をして、その戦いぶりで大会を盛り上げ、今年も冬の主役となる。

(取材・文 吉田太郎)
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