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[MOM2405]前橋育英FW飯島陸(3年)_大迫超えも視界に…2戦5発「本能で感じた」ゴールハンター

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FW飯島陸が後半ATに決勝点を奪った

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 富山一0-1前橋育英 等々力]

 前橋育英(群馬)に勝利を呼び込んだのはやはりこの男だった。

 後半のアディショナルタイム表示は3分。そしてそのアディショナルタイムも2分を過ぎ、3分代に差し掛かろうとする時間帯だった。ほとんどラストチャンス。ただ味方のミドルシュートのこぼれ球が自身の足もとにこぼれると、FW飯島陸(3年)は右足で冷静に蹴り込んだ。

「こぼれ球を狙っていたので、来たなという感じだった。本能というか、来るなという感じはしました」

 直前には頭を抱える場面があった。後半40分、ゴール前に抜けた飯島だったが、シュートがブロックに入った相手DFに当たったこともあり、ポストを叩いていた。「入ってくれと思ったんですけど、入らなかった。でも切り替えが大事かなと思った」。巡ってきた“リベンジチャンス”。「こういう試合で点を決めたいと常に思っている。そこで決めるのがエースだと思うので、自分はこういう苦しい試合で最後に俺が決めてやると思っています」と誇らしげだ。

 PK戦の前に決着を付けたかった。前橋育英は先月17日に行ったプレミアリーグ参入戦の決勝戦でジュビロ磐田U-18にPK戦で敗れていた。PK戦は5人目で蹴った飯島がPKを外したことで勝負が決まっていた。山田耕介監督も「またかよみたいな感じでした」と心境を明かす。

 ただ選手たちはそれももう過去のことと切り替えが出来ているという。飯島自身も「そのあともPK練習をしてきたが、全部決めている。自分が取ったら自分が蹴りたいです」と話すように、自信を持って今大会に臨んでいる。

 初戦の4得点に続く大活躍。これで得点数は5に伸び、大会得点王はもちろん、日本代表FW大迫勇也(ケルン)が持つ最多得点記録の10も視野に入ってきた。決勝戦まで戦えば最大3試合。ただ“大迫超え”には「目指してはいるんですけど、簡単ではない」と苦笑い。「しっかりと確実に点を決めて、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきたい」。

 昨年の悔しい思いを晴らすべく、決勝での再戦を希望していた青森山田高が敗退。「山田とやりたいのは正直あったけど、勝ち負けがあるのがサッカー」。卒業後は法政大に進学する166cmのゴールハンターは「(準々決勝の相手の米子北は)強さというか、体を張ってきたりとかすごいチーム。今日とか明日で分析のビデオを見たりすると思うので、やって行きたい」と次なるターゲットを射程圏にとらえた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)

●【特設】高校選手権2017

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