栃木県勢が2年連続4強入り!堅守の矢板中央、初出場・日本文理の快進撃をストップ
[1.5 全国高校選手権準々決勝 日本文理高 0-1 矢板中央高 駒場]
第96回全国高校サッカー選手権大会は5日、準々決勝4試合を行い、浦和駒場スタジアムの第1試合は矢板中央高(栃木)が日本文理高(新潟)を1-0で下した。6日の準決勝は埼玉スタジアム2002で流通経済大柏高(千葉)と対戦する。
2年ぶり8回目の出場となった矢板中央は、2009年度に成し遂げた過去最高成績のベスト4に並ぶ躍進を果たした。これまで埼玉会場では8連勝を続けているといい、「“ゲンの良い”場所だと伝えていた」と高橋健二監督。同じく埼玉県内で行われる準決勝は「そんなに甘くない」としながらも、「挑戦者のつもりで戦いたい」と意気込んだ。
試合は、中盤の奪い合いで上回る矢板中央が立ち上がりから主導権を握った。前半12分、DF内田航太郎(2年)のFKを起点にMF松井蓮之(3年)がボレーで狙うと、同16分にはPA内でボールを受けたFW久永寿稀也(3年)が左足シュート。クロスバーに阻まれたが、日本文理守備陣に脅威を与えた。
一方の日本文理は、アンカーに入ったMF竹内渚(3年)が序盤からミドルシュートを立て続けに放つ。さらにMF古木雄大(3年)のロングスローで見せ場をつくると、前半27分には、再三のドリブル突破で切り込んだMF久住玲以(3年)がPA内で3人抜きを見せるなど、タレント豊富な前線の個人技で得点を狙った。
それでも前半35分、矢板中央はFW望月謙(2年)に代わってFW大塚尋斗(2年)を入れると、直後に試合を動かす。同36分、DF稲見哲行(3年)のロングキックを久永が頭でそらすと、裏に抜け出したのは大塚。左足シュートは相手GK相澤ピーターコアミに左足で防がれたが、こぼれ球をMF山下純平(2年)が落ち着いて流し込んだ。
日本文理は「もう少しで良い流れをつかめるというか、先制できる可能性があるかも」(駒沢隆一監督)という中で失点し、ハーフタイムを迎えたが、後半立ち上がりにチャンスをつくる。2分、カウンターから久住、FW亀山来駆(3年)が抜け出して相手を押し込むと、同3分、古木のロングスローにDF吉田元樹(3年)が頭で合わせ、ゴールを狙った。
しかし、その後は徐々に矢板中央が一方的にボールを握る展開となった。後半6分、久永のシュートは相澤のビッグセーブに遭ったが、同14分には、途中出場のMF板橋幸大(2年)が左サイドからクロスを上げ、ファーサイドに走り込んだ久永がボレーシュート。再びクロスバーに直撃し、日本文理守備陣に冷や汗をかかせた。
難局を打開したい日本文理も「失点を抑えても勝ちはないので、2点目のリスクはあるがしかけよう」という指揮官が、攻勢に向けたカードを切る。後半23分、MF伊藤駿(3年)に代えてDF三原田悠斐(3年)を入れると、左サイドバックに入っていたDF田中拳斗(3年)をトップ下に上げるという「ビハインド時のプラン」(駒沢監督)に踏み切った。
すると後半32分、古木のロングスローにニアサイドで田中がヘディングシュート。同33分、ロングボールに相澤が飛び出したところで、板橋のシュートがゴールを襲うも三原田がブロックする。同36分には、古木のロングスローがPA内でバウンドし、吉田がオーバーヘッドで狙った。
終盤はパワープレーに出た日本文理が押し込んだ。後半39分、相澤のパントキックを受けた久住が右にパスを送り、MF横山隼介(3年)が左足に持ち替えてシュートを放ったが枠外。同アディショナルタイム1分、三原田が松井からボールを奪って前に進むと、横山とのワンツーで抜け出した久住はPA内で倒されたが、PK判定のホイッスルは吹かれなかった。
その直後、矢板中央の大塚がGKと1対1を迎えてシュートを放ったが枠外。大塚を中心にコーナーフラッグ付近でキープを試みるが、ボールを奪われて前進される。そして後半アディショナルタイム3分、日本文理は古木のスローインで押し込むと、GKの相澤を含む全員がPA内に。それでも最後まで得点を奪えないまま、試合終了の笛が吹かれた。
「悔いを残すな、名を残せ!」をテーマに戦ってきた日本文理は、初出場ながら新潟県勢最高タイの8強で大会を終えた。駒沢監督は試合後の取材に「残念です……」と悔しさを隠せなかったが、ロッカールームで「強豪校、伝統校と堂々と闘えたのは評価できる」と称えたことを明かした。
一方の矢板中央は同校史上最高タイの4強入りを果たした。新人戦、インハイで結果を残せず、「どん底からここまで来た」と高橋監督。連戦での準決勝を迎えるが、「11人ではなく、交代選手も含めた16人がレギュラー」と強調し、「とにかく精一杯、矢板中央のサッカーをしたい」と意気込みを口にした。
(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2017
第96回全国高校サッカー選手権大会は5日、準々決勝4試合を行い、浦和駒場スタジアムの第1試合は矢板中央高(栃木)が日本文理高(新潟)を1-0で下した。6日の準決勝は埼玉スタジアム2002で流通経済大柏高(千葉)と対戦する。
2年ぶり8回目の出場となった矢板中央は、2009年度に成し遂げた過去最高成績のベスト4に並ぶ躍進を果たした。これまで埼玉会場では8連勝を続けているといい、「“ゲンの良い”場所だと伝えていた」と高橋健二監督。同じく埼玉県内で行われる準決勝は「そんなに甘くない」としながらも、「挑戦者のつもりで戦いたい」と意気込んだ。
試合は、中盤の奪い合いで上回る矢板中央が立ち上がりから主導権を握った。前半12分、DF内田航太郎(2年)のFKを起点にMF松井蓮之(3年)がボレーで狙うと、同16分にはPA内でボールを受けたFW久永寿稀也(3年)が左足シュート。クロスバーに阻まれたが、日本文理守備陣に脅威を与えた。
一方の日本文理は、アンカーに入ったMF竹内渚(3年)が序盤からミドルシュートを立て続けに放つ。さらにMF古木雄大(3年)のロングスローで見せ場をつくると、前半27分には、再三のドリブル突破で切り込んだMF久住玲以(3年)がPA内で3人抜きを見せるなど、タレント豊富な前線の個人技で得点を狙った。
それでも前半35分、矢板中央はFW望月謙(2年)に代わってFW大塚尋斗(2年)を入れると、直後に試合を動かす。同36分、DF稲見哲行(3年)のロングキックを久永が頭でそらすと、裏に抜け出したのは大塚。左足シュートは相手GK相澤ピーターコアミに左足で防がれたが、こぼれ球をMF山下純平(2年)が落ち着いて流し込んだ。
日本文理は「もう少しで良い流れをつかめるというか、先制できる可能性があるかも」(駒沢隆一監督)という中で失点し、ハーフタイムを迎えたが、後半立ち上がりにチャンスをつくる。2分、カウンターから久住、FW亀山来駆(3年)が抜け出して相手を押し込むと、同3分、古木のロングスローにDF吉田元樹(3年)が頭で合わせ、ゴールを狙った。
しかし、その後は徐々に矢板中央が一方的にボールを握る展開となった。後半6分、久永のシュートは相澤のビッグセーブに遭ったが、同14分には、途中出場のMF板橋幸大(2年)が左サイドからクロスを上げ、ファーサイドに走り込んだ久永がボレーシュート。再びクロスバーに直撃し、日本文理守備陣に冷や汗をかかせた。
難局を打開したい日本文理も「失点を抑えても勝ちはないので、2点目のリスクはあるがしかけよう」という指揮官が、攻勢に向けたカードを切る。後半23分、MF伊藤駿(3年)に代えてDF三原田悠斐(3年)を入れると、左サイドバックに入っていたDF田中拳斗(3年)をトップ下に上げるという「ビハインド時のプラン」(駒沢監督)に踏み切った。
すると後半32分、古木のロングスローにニアサイドで田中がヘディングシュート。同33分、ロングボールに相澤が飛び出したところで、板橋のシュートがゴールを襲うも三原田がブロックする。同36分には、古木のロングスローがPA内でバウンドし、吉田がオーバーヘッドで狙った。
終盤はパワープレーに出た日本文理が押し込んだ。後半39分、相澤のパントキックを受けた久住が右にパスを送り、MF横山隼介(3年)が左足に持ち替えてシュートを放ったが枠外。同アディショナルタイム1分、三原田が松井からボールを奪って前に進むと、横山とのワンツーで抜け出した久住はPA内で倒されたが、PK判定のホイッスルは吹かれなかった。
その直後、矢板中央の大塚がGKと1対1を迎えてシュートを放ったが枠外。大塚を中心にコーナーフラッグ付近でキープを試みるが、ボールを奪われて前進される。そして後半アディショナルタイム3分、日本文理は古木のスローインで押し込むと、GKの相澤を含む全員がPA内に。それでも最後まで得点を奪えないまま、試合終了の笛が吹かれた。
「悔いを残すな、名を残せ!」をテーマに戦ってきた日本文理は、初出場ながら新潟県勢最高タイの8強で大会を終えた。駒沢監督は試合後の取材に「残念です……」と悔しさを隠せなかったが、ロッカールームで「強豪校、伝統校と堂々と闘えたのは評価できる」と称えたことを明かした。
一方の矢板中央は同校史上最高タイの4強入りを果たした。新人戦、インハイで結果を残せず、「どん底からここまで来た」と高橋監督。連戦での準決勝を迎えるが、「11人ではなく、交代選手も含めた16人がレギュラー」と強調し、「とにかく精一杯、矢板中央のサッカーをしたい」と意気込みを口にした。
(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2017