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[MOM2619]湘南工科大附MF文田夏樹(3年)_諦めずに走り切ったWBが激闘の主役に

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湘南工科大附高の右WB文田夏樹は劇的な決勝点を決めた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.24 選手権神奈川県2次2回戦 湘南工科大附高 4-3 藤沢清流高 湘南学院高G]

 2点差を追いついた湘南工科大附高は後半39分、左サイドで相手のクリアをチャージしたDF谷直樹(3年)がゴール方向へ持ち出してラストパス。これをファーサイドで詰めていた右WB文田夏樹(3年)が右足でニア上へ蹴り込んで打ち合いに決着をつけた。

「(ラストパスが来ると)感じていました。諦めずに呼んで、走って。前半も、後半もあまりボールが出てこなかったけれど、あそこでは出てくるなと思って走りました。谷も見えていたと思います」。期待通りに自らの足元に来たボール。「行ける」と自分を信じて放ったシュートが歓喜をもたらした。

 その背番号16については室井雅志監督も「あの時間、よくあそこで走っていた。よくあそこでシュートに繋がるプレーをしてくれた」と賞賛。そして、激闘を制した初戦ののマン・オブ・ザ・マッチに推した。

 文田は後期の神奈川県1部リーグ戦から先発に定着した選手だ。選手権予選に臨むのはこれが、初めて。楽しみたかったという試合は緊張もあって上手くプレーすることはできなかったという。相手DFに縦突破を警戒される中、右サイドから斜めへ切れ込むドリブルを幾度か見せていたが、なかなかチャンスに絡むことができていなかった。

 チームは先制したものの、ミスから追いつかれ、後半立ち上がりの連続失点で1-3と追い込まれた。それでも、自分と仲間を信じてプレー。そして1点差の後半34分に右足クロスで谷の同点ゴールを演出し、決勝ゴールで逆転劇の主役となった。

「(1-3とされ) めちゃくちゃヤバかったです。『これ、負けるかな』くらいに。(自分のゴールで勝てて)めちゃくちゃ嬉しかったです」。最後まで走りきったことで得た決勝ゴールと勝利。インターハイ全国2位の桐光学園高と戦う次戦は「中にも外にも行けるドリブルがしたい」というプレーをし、この日のように最後まで走り切ってゴールに絡む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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