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東京で「大成旋風」巻き起こす!1回戦屈指の好カードで伝統校・暁星撃破!

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大成高暁星高との強豪対決を制した

[10.13 選手権東京都Aブロック予選1回戦 暁星高 0-1 大成高 駒沢2]

 13日、第97回全国高校サッカー選手権東京都Aブロック予選1回戦で暁星高大成高が激突。1回戦屈指の好カードは大成が1-0で勝ち、2回戦へ駒を進めた。

 三鷹市の私立高校・大成は近年、継続的に東京都の上位争いをする力を有し、DF阿部正紀(現岐阜)やDF楠本卓海(現山口)というJリーガーも輩出。一方で昨年度は優勝した実践学園高に0-1、一昨年度も優勝した駒澤大高に0-1で敗れるなど、トーナメントで善戦しながら惜敗している印象も強い。だが、帝京高OBの豊島裕介監督が「旋風を起こしたい」と語り、GK柴田憲伸主将(3年)も「今年、自分たちは全国に行けると思うので頑張っていきたい」と語る今年こそ、壁を越えることが目標。まずはその第一関門を突破した。

 全国出場10回の伝統校・暁星との1回戦は互いに縦へ速い攻撃からゴールを狙い合う攻防戦となった。右のFW中塚剛佑(3年)の突破などダイナミックなサイド攻撃から左FW北本達拓(3年)が決定機を迎えるなど先制点を狙う暁星に対し、大成もシンプルに前線、サイドへボールを入れて対抗。そして、セットプレーを獲得すると、関東大会予選で國學院久我山高を直接FKで沈めている注目MF宮脇茂夫(2年)の左足キックなどからゴール前のシーンを増やす。

 0-0で折り返した後半、大成は大きな展開だった前半からボールを握る時間を増加。そしてFW児島進之介(3年)やMF大石勇冴(2年)のドリブル、またワンツーなどから相手の守りを切り崩そうとする。「どんどん湧き出て運動量のところで上回るのがウチのスタイル」(豊島監督)という大成が持ち味を発揮したのに対し、暁星の選手は自陣でのファウルが増加。そして、徐々に試合の流れを引き寄せていた大成が後半22分に右CKから先制点を奪う。

「人間性も併せ持っている。誰よりも仕事をするし、誰よりも練習する」(豊島監督)という宮脇が、中央へ狙い続けたプレースキックをファーへ変更。中央の布石を打ち続けたことが功を奏したか、大きく曲がってファーサイドへ到達したボールにタイミング良く跳躍した183cmCB佐藤イライジャ(2年)が、高打点ヘッドでゴールを破った。

 好守を続けていた暁星GK小熊崚介(3年)を破る待望の先制点。それでも、暁星は後半に存在感のある動きを見せていた1年生ゲームメーカー・MF影山秀人が、ボールに多く絡みながら反撃する。そして、中塚の仕掛けやMF窪田大輝(3年)のミドルシュートで同点を狙う。一方の大成も大石がカットインからクロスバー直撃の右足シュートを放つなど2点目のチャンスを作った。

 暁星は36分に右サイドの崩しからクロスがFW廣田尚(3年)に入るも、安定感高いプレーを見せていたGK柴田や高さのある佐藤、CB金井渉(2年)中心に守る大成ゴールを破ることはできず。1点を守った大成が強豪対決を制した。

 僅差の勝負を制すチームになるため、大成の豊島監督は「(武器のセットプレーに加え)守備、ハードワーク、距離間のところを徹底してきた。一個の勝負にこだわるというところでずっとやってきました」という。そのチームの支えになっているのが声だ。柴田は「今日はピッチ外でも良い声を出していて、それが力になって紙一重の勝負に勝ったと思います」と感謝し、佐藤は「試合に出ている人も、ベンチの人も、応援に来ている人も一緒に戦って上に行きたいという気持ちが一番です。今日の雰囲気は素晴らしかったので2回戦もこれを続けて欲しい」と期待していた。

 準々決勝で王者・関東一高と戦う可能性のある組み合わせ。ポテンシャルのある印象の選手多く、王者撃破への強い意気込みを見せる新鋭は、明大明治高との2回戦から白星を続け、東京に「大成旋風」を巻き起こす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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