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上田西の新たなロングスロワー・井出、悔しさバネに磨いた武器で決勝アシスト!

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上田西高のFW井出大輔はロングスローで決勝点をアシストした

[10.27 選手権長野県予選準決勝 松本一高 0-1(延長)上田西高 アルウィン]

 昨年度選手権全国4強の上田西高は、今年も強力なロングスロワーを備えている。長野県予選準決勝では延長後半6分にFW井出大輔(3年)の右ロングスローからCB藤田英輝(3年)が決勝ヘッド。アシストの井出は決まった瞬間について「(自分は決定機を決められなかったので)身体の力が抜けるくらい、ホッとしました」と振り返っていた。

 今年の県1部リーグで井出は、開幕から3試合連続でロングスローからアシスト。対戦相手が警戒してくる中、ゴールに繋げられなかった時期もあるが、その武器を大一番でゴールに結びつけた。昨年度の選手権ではFW田嶌遼介の飛距離十分のロングスローが対戦相手の驚異に。高校入学後に対戦相手の対策として放り始めたという井出は、昨冬のトレーニングでメディシンボールなどを活用して背筋をはじめとした筋力強化を図ってきた。昨年は田嶌と差があったという飛距離を伸ばし、今やチームの大きな武器になっている。

 この日、20球は投じていたロングスロー。投げ慣れているとは言え、上体の疲れがあることも確かだ。それでも井出はサポートしてくれるトレーナーら支えてくれる人たちのためにも投げて、走り続けるつもりだ。

 上田西のサッカーに憧れ、アルウィンで戦うことを目標にしてきたFWにとって、応援席にいた昨年は「苦しかった」と振り返る。それでも、県大会を突破し、全国で勝ち上がる先輩や同級生の姿がエネルギーに。冬のトレーニングでロングスローやスピードなどの武器を必死に磨いてきた井出は、「今年は絶対にやってやろうと思っていた。ロングスローをメーンに、自分の中でも少し自信がついてきているので、どんどん出していきたいですね」と意気込んでいる。

 その井出にとって、都市大塩尻高との決勝は兄の雪辱戦でもある。兄の健太さんは上田西が4年前に決勝で都市大塩尻に敗れた時のFWだ。「お兄ちゃんには『オレが決めて試合に勝つから』と言っている。毎週、選手権を見に(大学のある)神奈川から帰って来てくれている。きっと来週も来てくれると思うので、何が何でも自分が結果を出して全国に繋げたいです」。この日、アルウィンで勝利に貢献したFWが、決勝でも憧れの地で舞う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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