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全国4強経験の上田西GK小山、仲間からの「信頼」に声とプレーで応える!

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上田西高の守護神、小山智仁は100分間無失点

[10.27 選手権長野県予選準決勝 松本一高 0-1(延長)上田西高 アルウィン]

 昨年度選手権準決勝で2万人超の観衆の中でプレーした経験は大きい。上田西高の守護神、小山智仁(3年)はこの日、0-0が続く緊迫した展開でも落ち着いてプレーしていた。対戦した松本一高は1年前の予選準決勝でPK戦の末に勝利している相手。「同じ展開で自分には焦りがなく落ち着いてできて、最悪PKでそこで勝負かなと考えていた」。後半10分に訪れた大ピンチも小山が体を投げ出してシュートをセーブ。冷静さを保ち、無失点のまま試合を進めたことが、延長後半のCB藤田英輝(3年)の決勝点に繋がった。

 昨年は県予選の準決勝も決勝も緊張で「ガチガチ」だったという。ただし、その舞台や全国で4試合を経験し、最高学年でチームを引っ張る立場となった今年は良いメンタル状態で試合に臨むことができているようだ。理由として大きいのは仲間からの「信頼」。それによって、小山は仲間が守りやすいように意識しながらプレーすることができている。

「DFラインが全国を経験していないので、(相手に)強く行けなかったりする。でも、自分が言えば、去年の経験とかあってみんな動いてくれるので、経験がみんなの『信頼』に繋がっていると感じています。(昨年から)唯一出ているものとして、(主将の田中)悟はチームをまとめるのは上手いけれども、ゲームの中では自分がコーチングの部分で動かすところを今年やっていますね」

 仲間から得ている「信頼」。それに応えるために状況を冷静に判断し、仲間を動かしている。そしてピンチでは昨年も見せていたビッグセーブ。細かいミスもあるが、チームを勝たせるGKになってきている印象だ。

 昨年度の選手権準決勝では優勝した前橋育英高に1-6で大敗。シュート31本を浴びる中でも諦めずにファインセーブを連発した小山が注目されるゲームにもなった。それでも「全然相手にならなかった」と振り返る小山は、全国のトップを争う戦いでまた強豪校と勝負したいと考えている。

「(前橋育英戦は)全然、自分の能力もチームの能力も出せなかった、多少は成長したと思うし、(全国でまた)勝負したいという気持ちがあるので、まずは決勝で勝ちたい」。今は決勝へ向けて万全の準備をすることに集中。そして決勝で勝利し、また経験を仲間たちに伝えて再び全国に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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