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東京朝鮮の左SBパク・チュンボム、公式戦初ゴールで昨年立てなかった舞台へ

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先制点を挙げた東京朝鮮高の左SBパク・チュンボム(右)は守備でも奮闘

[10.28 選手権東京都Bブロック予選準々決勝 東京朝鮮高 2-1 修徳高 実践学園高尾G]

 昨年、悔しい思いで見つめていたピッチに立つ権利を、自らのゴールで引き寄せた。東京朝鮮高の左SBパク・チュンボム(3年)は前半2分、左サイドでボールを受けると、「一回、トップに預けようと思ったんですけれども、中のスペースが空いたので思い切り行こうと思って、前半立ち上がりだったので切り込んだ」とドリブルで仕掛ける。

 DFに触られたものの、こぼれたボールが自らの足元に。迷わず振り抜いた左足シュートがニアを破って先制ゴールとなった。これが公式戦初ゴール。大喜びで応援席の方へ走り出したパク・チュンボムは「これがゴールを決めた時の嬉しさなんだと」微笑みながら振り返っていた。

 東京朝鮮のカン・ジョンジン監督が「電光石火のような」と評した一撃。初戦の狛江高戦でも前半立ち上がりに得点を決めている東京朝鮮は、パク・チュンボムの初ゴールで奪ったリードを守り続ける。パク・チュンボム自身は攻撃の起点になれなかったことを反省していたが、それでもMFホン・リジン(3年)のゴールで加点した東京朝鮮は各選手の集中した守りもあって2-1で勝利。味の素フィールド西が丘での準決勝進出を決めた。

 パク・チュンボムは昨年も公式戦の出場機会を得ていたが、西が丘で開催された選手権予選準決勝でベンチ外に。関東一高と3-4の激闘を演じた仲間たちをスタンドで応援するしかなかった。「応援席で応援しかできない自分が悔しくて、本当に腹が立って、来年はその西が丘の舞台に立って、そこで自分たちが勝つ、と。目標は全国大会ですけれども、西が丘に戻って来れたことは良かったと思います」。まずは自らのゴールで西が丘に立つ権利を得た。

 昨年は応援することしかできなかった準決勝。今年は「攻撃の起点に。サイドの突破からクロスの質を出したり、(対戦する)帝京の右サイドが速いと思うんですけれども、正直自分はスピードに自信がある方なので、絶対に完封して何もさせないくらいの気持ちで臨みたいです」と自分の特長を出すつもりでいる。目標は西が丘で勝ち、決勝でも勝って全国に出場すること。そのために雪辱のピッチを弾みをつける場所にする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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