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さすがの1G3A。アジアMVPの桐光学園FW西川、「出たい気持ちがめちゃくちゃある」選手権へあと1勝:神奈川

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桐光学園高FW西川潤は1ゴール3アシストの活躍

[11.4 選手権神奈川県予選準決勝 東海大相模高 0-4 桐光学園高 等々力]

 AFC U-16選手権でU-16日本代表を優勝へ導き、大会MVPを獲得。高校2年生ながらすでにJクラブの争奪戦がスタートしている桐光学園高FW西川潤が、1得点3アシストの活躍で「出たい気持ちがめちゃくちゃある」選手権出場へあと1勝とした。

 前半24分に左足CKで右SB岡孝樹(3年)の先制ゴールをアシスト。東海大相模高が競り合いに強いCB堀川侃太(3年)をマンマークにつけてきたこの日は、あえて1タッチを多用して相手に的を絞らせない。

 そして、「相手が来なくなったところを上手くターンして狙おうかなとか、周りを活かしてプレーしようかなとしていた」という西川は後半9分、DFとの競り合いを制してボールをキープするとさらに食いついてきたDF1人をいなしながらキープ。複数のDFが彼に集中したところで反転しながら左足で斜めのラストパスを通す。これをMF西牧蓮(3年)が左足で決めて2-0となった。

 さらに西川は15分にもDFを引きつけながら左中間でフリーの西牧へラストパス。これを西牧が右足で決め、西川は3つめのアシストを記録した。そして、後半35分には縦パスに反応。対応するDFの動きを見ながらわずかに前に入ってボールに触れたところを倒され、PKを獲得した。これを自ら左足で決めて3戦連発。1得点3アシストで準決勝を終えた。

 対戦した関東予選優勝校・東海大相模の有馬信二監督は「(選手たちは)彼がいるというだけで気になる」と語り、上手いだけでなく、対人能力の高い堀川のチャージを受けても前に出る西川の強さも称賛していた。また先にJリーグへ進むU-17日本代表MF中山陸(3年、甲府内定)も「彼、マンマークついていたんですけれども、(堀川は)体の強い選手なんですけれども倒れなかったし、体の使い方も上手かったし、反転の仕方も見ていて上手いなと思いました。そういうところを盗んでいきたい」と語っていた。

 9月から10月にかけて行われたAFC U-16選手権で西川はマレーシアで約3週間以上の生活。普段とは異なる気候、生活リズムを経験して日本に戻ってきた。そして帰国から2週間足らずで選手権予選がスタート。体力的、精神的にも厳しいことは間違いないが、鈴木勝大監督は「全然、動じない。それが代表選手」とそれを跳ね除けるエネルギーを期待し、西川もコンディションをしっかりと整えて選手権予選を戦っている。

 インターハイで5人抜きのスーパーゴールを含む6得点を挙げて注目度をさらに高め、アジアでMVPになっても「自分から輪の中に入ってやっている」(鈴木監督)という変わらぬ姿勢。そして、チームのモットーであるチャレンジャー精神を誰にも負けないくらいに持ってプレーしている。

 次は三浦学苑高との決勝戦。「去年も決勝で負けて今年こそはという気持ちでずっとやってきたので、全国に出れるようにしたい。三浦学苑には夏の決勝で負けているのでその悔しさを晴らすために、チャレンジャーの気持ちを持って頑張りたい」と誓う西川が決勝でもチームを勝たせるプレーをし、「出たい気持ちがめちゃくちゃある」舞台に今年こそ立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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