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[MOM2723]前橋育英FW室井彗佑(3年)_名将「神様に見えました」と絶賛!逆転の2発!

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後半アディショナルタイム、前橋育英高FW室井彗佑が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 選手権群馬県予選決勝 前橋育英高 2-1 桐生一高 正田スタ]

「室井様様ですね。神様に見えました」。前橋育英高の山田耕介監督は、後半アディショナルタイムにこの日2点目となる決勝点を決めたFW室井彗佑(3年)を最高級の言葉で称賛していた。数々の名選手を育成し、全国タイトルも獲得している名将が「凄いアジリティ。(数値も)びっくりするくらい」と説明する室井が大一番で躍動。ストライカーとして結果を残し、チームを全国へ導いた。

 決勝点のシーンはゴールへの執念が見て取れた。右サイドのSB若月輝主将(3年)からPAでパスを受けた室井だが、一度ボールを失ってしまう。だが、“切り替えゼロ秒”での守備からスライディングでボールを奪い返す。すぐさま前を向いた室井が右足シュートを放つと、ボールはゴールネットに突き刺さった。

「最後身体張らないと、と思って、スライディングでボールを奪って、あとは気持ちで押し込みました。周りがあんまり見えていなかったんですけれども、シュートを自分が打つとずっと思っていたので、入って良かったです」と室井。インターハイ予選決勝でも貴重な先制点を奪っているFWが、再び決勝戦で千金弾を決めた。

 この日はそのスピードとアジリティを活かした抜け出しと仕掛けを繰り返した。前半はコンビネーションからシュートを打ち込み、MF渡邉綾平(2年)の好パスからGKと1対1になりかけるシーンも。チームは後半6分に先制されて苦しい展開となったが、室井は14分にCB山原康太郎(3年)からのフィードを引き出してPKを獲得する。これを右足で決めて同点。そして決勝点も決めてチームを勝たせた。

 1年時から登録メンバー入りしてきたFWにとって勝負の3年目。山田監督も認める武器を持つFWは相手にとって怖い選手に変貌している印象だ。「1年の頃も、2年の頃も自分メンバーには一応入っていたんですけれども、今年は懸ける思いが違って、自分が点決めて勝ちたいという気持ちが強くなって、決められて良かったです」。チームメートのFW榎本樹(3年)が昨年のインターハイで得点王を獲得し、選手権決勝で優勝ゴール。今年は松本内定を決める中で自分も負けじと成長を続けてきた。

「去年とかは樹が出ていてすごく悔しかったんですけれども、今年は一緒に出て一緒に戦っているので一緒に頑張っていきたい」と語った室井には選手権全国大会での目標がある。一つは日本一。そして、もう一つは全国得点王だ。「去年、(先輩で現法政大FWの飯島)陸さんが獲ったので、今年は自分が絶対に得点王を獲りたいと思っています。今日は最後まで諦めなかったですし、FWは点を決めることが仕事。決勝点だけじゃなくて、チームが苦しい時に獲れるのがストライカーだと思いますし、全国でもしっかりと結果を残していきたいと思っています」と誓った。今年の選手権では自分がストライカーとしての仕事をすること。そして個人、チームとしてタイトルを獲得して高校サッカーを終える。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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