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6年連続福岡3冠の東福岡、向上した勝負強さとまとまり持って奪還へ

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“赤い彗星”東福岡高は全国制覇に挑戦する

 福岡の無敗王者が日本一奪還に挑戦―――。第97回全国高校サッカー選手権が12月30日に開幕する。東福岡高は全国屈指の激戦区、福岡県予選で6連覇。県内の公式トーナメント戦で無敗を続ける“絶対王者”は、同時に6年連続となる福岡3冠を達成した。夏の九州高校選手権も制し、プレミアリーグWESTでは5位で6年連続高体連チーム最上位。今回の予選で苦しい試合を経験しながらよりまとまり、勝負強さを身に着けてきた“赤い彗星”が15年度以来となる日本一奪還に挑戦する。

 選手権予選は飯塚高との初戦からPK戦に持ち込まれる苦戦。だが、「延長が終わった後にかなり相手が喜んでいたので、自分が全部止めてやろうと思った」というGK松田亮(3年)が、PK戦で3本連続ストップなど1本も決めさせずに勝利する。

 すると、高稜高、東海大福岡高戦でいずれも逆転勝利。筑陽学園高との決勝でも先制されながら、後半に右SB中村拓海(3年)のアーリークロスからMF中村拓也主将(3年)が同点ゴールを奪う。そして、延長戦でMF福田翔生(3年)のラストパスから1年生MF青木俊輔が決勝点を決めて3試合連続となる逆転勝ちをしてのけた。

 もちろん、先制点を奪って勝ち切ることが理想。対戦相手のレベルが上がる全国大会で逆転することはより困難となる。それでも、福岡の強敵相手に試合をひっくり返してきたことは選手たちの自信に。中村拓也は「県予選で苦しい試合が多かったので、しぶとさとか、チームとして強くなったのかなと思います。でも、もっと守備の部分とか強化していかないといけない」と語り、手応えと守備面をより強化する必要性の両方を口にしていた。

 守備陣では日本高校選抜候補の松田やU-17日本代表CB丸山海大(2年)に加え、注目の大型CB西田翔央(3年)が復調。一方、プレミアリーグWEST18試合で無得点に終わったのは1試合だけという攻撃陣では、青木らの台頭がある。取材日は強い雨の中で走力強化のメニューと体幹トレーニング。目標達成へ準備を進める東福岡は、各ポジション激化した競争でよりチーム力を高めると同時に、ボールの奪い方、失い方の部分など細部から突き詰めて本番に臨む。

 今年は2年生MF荒木遼太郎がU-16日本代表の一員としてAFC U-16選手権(9月~10月)に出場。初戦で2得点をマークするなどチームのU-17ワールドカップ出場権獲得とアジア制覇に貢献した。また、FC東京内定の右SB中村拓海は12月にU-19日本代表としてブラジル遠征。彼らの国際経験が個々の目指すレベルをより引き上げている。

 荒木は「試合ではアジアの厳しさなど経験してきた部分を出していければいい」と語り、中村拓海は「(21日帰国のため、スケジュールは)ハードなんですけれども、海外で学んだことをチームで還元できればいいかなと思っている。あとは選手権で勝つだけです」と意気込んだ。

 主将の中村拓也は今年のチームについて「自分たちの代は個性が強い選手が多かったのでチームにするのが大変でした。県予選が終わってから大分まとまってきたと思います」と説明する。選手権は浦和南高(埼玉)とのアウェー戦からスタート。エースストライカーのFW大森真吾(3年)は「(目標は)全国優勝です。3年間の集大成の大会なので、チームにタイトルを持って来れるようにやっていきたいと思います」と誓った。個性派軍団が身につけてきたまとまりと、逆境で巻き返す力。また、レベルアップした姿で全国舞台に立ち、激戦ブロックを一戦一戦勝ち上がる。

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(取材・文 吉田太郎)

●【特設】高校選手権2018

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