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冬一ら“気合の五厘”の長崎総科大附、接戦制して3回戦へ…静岡県勢は4年連続の初戦敗退

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長崎総科大附が3回戦に進出した(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権2回戦 浜松開誠館0-1長崎総科大附 NACK]

 第97回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、NACK5スタジアムの第1試合は長崎総科大附(長崎)が初出場の浜松開誠館(静岡)を1-0で下し、3回戦に進出した。あす3日は帝京長岡(新潟)と対戦する。

 長崎総科大附は湘南内定MF鈴木冬一ら3年生の一部が昨夜の練習後、バリカンで五厘に刈り上げ、気合を入れて初戦を迎えた。青光りする五厘刈りのスタメンは4人。小嶺忠敏監督は「俺がやらせたように思われるやろ。やめてくれ」と話したと明かし、「決してやらせたわけじゃない。(選手が)悪いことをしたわけでもない」と冗談交じりに説明した。

 球際激しくぶつかり合った両者の戦いは、長崎総科大附がロングスローなどセットプレーからチャンスを演出。前半10分、右後方から鈴木が左足で蹴り込んだFKからMF島田蓮平(3年)が頭で狙ったが、これはGK菅沼一晃に阻まれた。

 対する浜松開誠館はFW弓場堅真(3年)が鋭いドリブル突破からゴールに迫り、前半14分には自ら仕掛けてフィニッシュに持ち込んだ。その後は長崎総科大附が人数をかけた守備でチャンスを与えなかったが、浜松開誠館の固いブロックに阻まれ、ボールを握ってもシュートまで持ち込めなかった。

 スコアレスで後半に突入すると、「想定内です。静岡は群雄割拠。どこが出ても優勝を狙えるチーム」と小嶺監督。後半も再び膠着した時間帯が続くと、後半22分、鈴木が連続でシュートを狙ったが、これはいずれも相手のブロックに阻まれた。

 しかし、この流れから長崎総科大附がワンチャンスを仕留めた。後半23分、相手にシュートブロックされたボールを奪い返した鈴木がパスを出し、DF古堅詩音(3年)が右サイドからクロスを供給。ニアサイドに抜け出したMF千葉翼(2年)が強烈ヘッドで叩き込んだ。先制点の起点となった鈴木は「1点差の試合になるので、前半耐えたら後半はいけると思っていた」と振り返った。

 浜松開誠館は交代カードを切って攻撃を厚くしたが、後半27分、弓場のドリブルシュートはGK甲斐健斗(2年)が冷静にキャッチ。長崎総科大附もハードワークを続けて後半はシュートをこの1本に抑え、終盤はうまく時間を使って1-0で逃げ切り、2年連続で3回戦に進出。静岡県勢は4年連続の初戦敗退となった。

(取材・文 佐藤亜希子)

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