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大会史上最長のPK戦は17-16で帝京長岡に軍配!のべ38人のPK全てが枠内

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帝京長岡が史上最長PKの死闘を制した(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権2回戦 帝京長岡2-2(PK17-16)旭川実 NACK]

 第97回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、NACK5スタジアムの第2試合は帝京長岡(新潟)が旭川実(北海道)と対戦した。2-2で突入したPK戦は歴代最多の19人目に及び、のべ38人目が失敗。帝京長岡がPK17-16で死闘を制し、3回戦に進出した。あす3日は長崎総科大附(長崎)と対戦する。

 帝京長岡が序盤からチャンスをつくったが、旭川実GK小竹唯貴(2年)の好セーブが光った。前半9分、高い位置でボールを奪ったFW小池晴輝(3年)が仕掛けてシュートを放ったが、GK小竹がセーブ。前半16分にはDF長渡彗汰(3年)のスルーパスで背後に抜け出したFW晴山岬(2年)が技ありヒールで狙ったが、これもGK小竹が防いだ。

 押し込まれた旭川実だったが、ワンチャンスを仕留めて先手を取った。前半20分、前線へのロングボールをクリアされ、こぼれ球に反応したMF山内陸(3年)がPA左手前から左足を一閃。強烈ミドルをゴール右隅に突き刺し、1回戦に続く先制ゴールを挙げた。
 
 しかし、ここから帝京長岡が反撃に出ると、前半29分、MF谷内田哲平(2年)のスルーパスで抜け出したFW晴山岬(2年)がエリア内を仕掛け、右足で先制ゴール。31分にはMF梨本夢斗(3年)からのアーリークロスをMF田中克幸(2年)がバッグヘッドで捉え、2-1と逆転に成功した。

 後半反撃に出た旭川実は同4分にチャンスを迎え、山内がGKとの1対1から無人のゴールに流し込んだが、カバーに入ったDF小泉善人(3年)がゴールライン際でスーパークリア。帝京長岡も晴山や田中がゴールを強襲したが枠を捉えられなかった。

 耐え凌いだ旭川実が次の1点を奪った。後半29分、スルーパスで抜け出したFW西村歩夢(3年)のシュートはGK猪越優惟(2年)が防いだが、こぼれ球に反応したFW金野修那(3年)が左足で押し込み、試合を振り出しに戻した。帝京長岡は交代カードを切り、終盤には途中出場のFW矢尾板岳斗(2年)がキレのあるドリブル突破からチャンスをつくったが、スコアは動かず、2-2でPK戦に突入した。

 迎えたPK戦は大会史上最長の死闘となった。後攻の旭川実は1人目が失敗したが、帝京長岡も4人目が失敗。サドンデスも両者成功が続き両GKが成功して2巡目に突入すると、13人目がともに失敗。そこから5人連続で成功し、帝京長岡19人目の矢尾板が右足で沈めると、旭川実の19人目のPKを猪越がストップし、決着がついた。

 高校サッカー史に残る一戦は、のべ38人が蹴ったPKは全てが枠を捉えたことも衝撃だった。帝京長岡は2013年度、16年度と2大会連続でPK戦の末に敗退していただけに、谷口哲朗総監督は「PKに関しては褒めてあげたい」と選手たちの奮闘を称えると、「越えていかなければいけない壁」と名将・小嶺監督率いる長崎総科大附との次戦に切り替えた。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2018

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