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青森山田「炎のストライカー」FW小松慧、昭和の香り漂う男が“平成最後”のゴール!

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ダメ押しの3点目を決めた青森山田高FW小松慧(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.14 選手権決勝 青森山田高 3-1 流通経済大柏高 埼玉]

 “平成最後”のゴールだ。ラスト10分で投入された青森山田高FW小松慧(3年)がスーパーサブの仕事を完遂した。後半43分、MF天笠泰輝(3年)の絶妙なスルーパスでDFラインの裏に抜け出した小松はGKとの1対1を制し、ダメ押しの3点目を決めた。

 きょうは冷静だった。準決勝・尚志高戦は投入から1分後に劇的な同点ゴールを挙げたが、その5分後に訪れた1対1はシュートをGKに当ててしまい、ビッグチャンスを逸した。PK戦にもつれ込んだ責任を感じた小松。「“思い”ではゴールを取れたけど、技術でゴールを取れることは証明できなかったな」という黒田剛監督の言葉が突き刺さり、奮い立った。

 その1対1の場面も脳裏によぎったが、右足でしっかりと流し込むと、スタンドに向かって走った。憧れていた先輩FW鳴海彰人(仙台大)と同じ、FWクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)のゴールパフォーマンスを披露し、歓喜の輪が広がった。

「きょうまで1点目も2点目も意味わかんない喜び方をしていたので、きょうは冷静にできました」。今大会でフィーバーした“炎のストライカー”。元日本代表FW中山雅史の魂のプレーに憧れ、そう自称している。「炎のストライカーってかっこいい」という熱さには昭和の香りが漂う。

「親の影響で昭和の歌とか聞いていたんです、昔から。考え方も古臭いというか、現代っ子じゃないと思う。そういう親の指導が自分の泥臭さを生んだと思う」。今大会はスーパーサブとしての起用。先発ではない葛藤もあったが、限られた出場時間の中で大会3得点。その存在感がチームの力になった。

 青森山田の3点目は平成最後の選手権を締めくくるゴールになった。「自分のゴールで、埼玉スタジアムで大会を締めくくれたことはうれしく思います」。この先も“炎のストライカー”が目指すのはゴールのみ。常葉大でサッカーを続け、4年後のプロ入りを目指す。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2018

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