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ゲキサカ読者が選ぶ選手権MVPは尚志FW染野唯月!「大迫勇也選手のように、『半端ない』と言われたい」

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ゲキサカ読者が選ぶ選手権MVPに選出された尚志高FW染野唯月

 ゲキサカ読者が選ぶ第97回全国高校サッカー選手権のMVP「GEKISAKA AWARD 2018 WINTER 高校生部門」に尚志高(福島)FW染野唯月(2年)が選ばれた。

 染野は選手権で3回戦から3試合連続ゴール。計5得点を叩き出して大会得点王(他2人)を獲得した。特に準決勝で優勝校の青森山田高相手に“衝撃的な”ハットトリック。試合はPK戦の末に敗れたものの、この試合で彼は一躍知名度を上げた。

 今回の企画は大会期間中に『ゲキサカアプリ』を使って実施。最も多くのクラップ(拍手=投票)を集めた選手を表彰するもので、染野にはゲキサカオリジナルトロフィーが授与された。

 今年、プレミアリーグEASTを戦う尚志の主将、エースとしてだけでなく、U-18日本代表、日本高校選抜としても活躍が期待されている。すでにJ1トップクラブが獲得競争を繰り広げている逸材に、“あの3発”や、19年への覚悟について聞いた。

―今回、ゲキサカユーザーが選ぶ大会MVP「GEKISAKA AWARD 2018 WINTER 高校生部門」に選出されました。その感想を教えてください。
「こういった賞を頂いたのは、嬉しく思います」

―読者から選ばれたことで、また価値のあるものになっている。
「一つ一つやってきたことがこういうものに繋がったと思うので、本当に良かったと思います」

―選手権のプレーを振り返ってください。
「1、2回戦で点が獲れず、悩んでいた時間もあったんですけれども、3回戦(対前橋育英高)から得点という結果が出せたのは、少しずつですが、成長できたのかなと思っています」

―3回戦、準々決勝では連続ゴールを決めた。
「前橋育英戦からゴールを決めれるようになって、自分が点を獲ってチームを勝たせるという強い気持ちがそこから生まれたと思います」

―そして、“あの”準決勝。
「青森山田という強いチームから3点獲れたということは、自分の中で嬉しかったんですけれども、結果負けてしまったので、それは悔しくて悔いの残る試合でした」

―ただし、活躍に対する反響も凄かったと思うが?
「試合が終わってからもLINEとか友達から一言『お疲れ様』という連絡を多くもらいました。山田に対して3点獲れたのは本当に周りから『いいプレーだった』と、『尚志のサッカーに感動した』とか、そういう言葉をもらったので、自分たちは(福島の人たちを)勇気づけるというテーマも持ってやっていたので、それが少し実現できたのかなと思っています」

―山田戦の3点を振り返ってください。まずはFKから決めた1点目。
「1点目は相手に高さがあったので、(キッカーの沼田皇海に)『下に速いボールを狙って蹴ってくれ』と頼んだら本当に良いボールが来て、自分は触るだけというシュートでした」

―2点目は青森山田の切り返しへの対応を仲村監督から聞いた上で、指示通りに切り返しからのゴール。
「2点目は自分が描いていた通りのシュートで、相手が食いついてきてくれたおかげで自分がフリーでシュートを打てたのかなと思っています」

―相手の3選手を転倒させたことで最もインパクトがあった。
「言っちゃえば、自分の中では『やってやった』というプレーで、あのシュートが一番心に残ったゴールかなと思っています」

―あれほどのゴールの経験はない?
「選手権という舞台でゴールを決めたということもそうですし、自分の描いていた通りのゴールだったので一番かなと思っています」

―3点目はチームで奪ったゴールだったので、特に嬉しかったと思うが?
「3点目は特にみんなが繋いでくれたボールで、最後に自分が責任を持ってシュートを打てたのかなと思っています」

―選手権を通して自信になった部分は?
「自分たちのいたAブロックでは強い相手がいたけれど、本当にどんな相手でも勝てるんだという証明ができたと思うし、その中で自分は勝負強さを発揮できたかなと思っています」

―選手権を経て、感じている課題は?
「自分はシュート、攻撃だけではなく、守備を求められている。そこを課題として今やっているところなので、守備というところを意識して今後やっていければいいと思っています」

―今後は見る側の視線が高まるだろうから、山田戦くらいの活躍をしないとなかなか認めてもらえないかもしれないが?
「青森山田よりも強いチーム、世界中色々なチームがいて、それに対して自分がプロになった時にも挑んでいかないといけない。そこに対してもっと努力していかなければいけないと思っています」

―改めて、尚志に入った理由は?
「自分が目指しているサッカー、パスサッカーという部分もそうですし、あとは自分が本当にプロになるために近いであろうということも考えた上での選択でした」

―怪我で苦しんだ中学時代(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)から、ユースチームに上がれなかった悔しさも持ってここまで来れている。
「自分の中では上手く行かなかったり、上手く行ったり色々なことがあったんですけれども、監督やコーチ陣に支えてきてもらってきたので、今までやってきたことは間違っていなかったかなと思っています」

―19年は高校生活ラストイヤーになる。
「3年生がやってきたことを引き継いで、自分たちがプラスアルファを発揮していければベスト4、全国制覇に繋がる部分があると思う。この1年、色々成長できる部分があると思うのでまた頑張っていきたい」

―より福島に元気を与えるための1年にもなる。
「今年はプレミアリーグという日本最高峰のリーグ戦があるので、そこに子どもたちが見に来てくれたり、そういうところで勇気づければ、自分たち(尚志の選手たち)が(子どもたちにとって)元気をもらえる糧になれるかなと思っています」

―そして、1年後は選手権決勝のロッカールームを笑って出る。
「自分たちは本当に悔しい思いを、2年生が少なかった中で自分は悔しい思いをしてきたので、それを伝えていかないといけない。『笑ってロッカールームを出る』ということを達成できなかったので、そこを最終目標にして頑張っていきたい」

―19年は海外と戦う、またプロに駆け上がっていく1年。
「代表だったり、高校選抜だったり色々な活動がある中でしっかり自分のコンディションを落とさず、その中でプロを目指しながら高いレベルでやっていければ、本当にレベルの高い選手になると思う。私生活からしっかりやっていければいいと思っています」

―仲村先生はより『半端ない』と言われる選手にと。
「自分が目標としている大迫勇也選手のように、『半端ない』と言われたいです」

(取材・文 吉田太郎)
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