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悲願の全国へ。大阪のタレント軍団・興國の2年生エースFW樺山「自分が中心となって勝たせられるように」

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興國高の2年生エースFW樺山諒乃介

 第98回全国高校サッカー選手権の各地区予選がスタートしている。MF田路耀介主将(3年)とDF高安孝幸(3年)の金沢内定コンビを擁する興國高(大阪)は、10月27日に大阪府予選5回戦で帝塚山泉ヶ丘高と対戦。悲願の全国初出場を目指す。

 金沢内定コンビにも注目の興國だが、現2年生には来年のプロ入り候補選手がズラリ。特にU-16日本代表歴を持つエースFW樺山諒乃介(2年)は複数のJクラブに練習参加している注目ドリブラーだ。圧倒的な突破力に加え、チームを勝たせることへの自覚も変わってきた逸材が、選手権予選への意気込みなどを語った。

―注目される中で加入して2年目。まだ思うような結果を残すことができていない。
「まず、チームとしてインターハイ予選で敗退して、それから(U-17の)ブラジルワールドカップのメンバーも入れなくて、個人的にも、チーム的にも結果も出ていないし、焦りと言うか、自分の中では全然やなと感じています」

―高評価を得ている一方で、結果に繋がっていなかった要因は?
「チームとしては、最近(内野智章)監督が良く『細部に宿る』と言っているんですけれども、インターハイはそれが足りなかった。個人的には、最近は良くなってきてんですけれども、10番として自分のことばかりになってしまって、周りのことが見えない時があった。自分のことしか信じていなくて、全然良いプレーもできていなかったし、味方のことを自分で上手く使えていなかったというのがあった。代表に選ばれなくなったのは、チームの結果も大事やと思うので、そういう細かいところが足りていないのかなと思います」

―自分が、というところももちろん大事だが。
「空回りしていることが多かったですね」

―今では?
「自分のメンタル的にも整理できていて、プレー中にメンタルが崩れることはなくなったと思います」

―今年、Jクラブに練習参加も経験。
「初めて練習参加して、チームだったので代表よりも緊張感がなくて、先輩とか大人とやるというので圧もあったんですけれども、一緒にプレーしたら高校生よりアプローチとか強いんですけれども、ガツガツ来るんじゃなくて結構引いてとかいう感じがあった。だから、自由にボールを受けれて、紅白戦でも自分の思うようなプレーが出来たり、得意なゴール前のドリブルで何人か抜くことができた。最初の練習で手応えを掴んで、その(初めて)練習参加させてもらった一週間は自信に繋がる一週間でした」

―足りないのは全国の経験。
「(桐光学園高の)西川潤君は2月3月には決まっていた。2年の全国で活躍している選手は自分の代になったらすぐにプロとか決まっているので、自分もそれに負けていられないし、早くプロを決めて、もっとチームに貢献できる選手になっていきたいと思っています」

―去年からの進化。
「去年はまだ岐阜行った村田透馬君とか、愛媛に行った中川裕仁君と3トップを組んでいて、あの2人に頼っている部分とか、一緒に出ていて自分の良いところだけを出させてもらっていたので、悪いところがあまり見えて来なかったり、細かいところがあまり見えて来なかった。でも、新チームになって2人に頼っていたところ、自分の弱さとか、足りないものとか一気に見えたので、それが改善できたというのと、自分が中心になって良いところを出していくという気持ちになっている」

―「見てろよ」という気持ち。
「セレッソの近藤蔵波と一緒のクラスで、(U-17日本代表の)ライブ発表を見ていたんですけれども、2人とも選ばれなくて、とりあえず次の代表に入って、20のワールドカップなどを目指したい。今はなかなか結果が出ていなかったので選ばれないと思ったし、今は悔しいというのはないんですけれども、ずっと代表に選ばれていなくてリッキー(杉浦力斗)が選ばれた時とかに悔しいという気持ちがあった。それから自分も自主練とか努力をしてきているので、結果になるまで自分の悪いところを直して、良いところはプロで自信にもなったのでそれを選手権で結果に出していきたいです」

―観衆を沸かせるようなプレーもできるが、結果にこだわる。
「選手権は去年、出ていない3年生の前で出させてもらって、結果を残せなかったという大分悔しい思いをしているので、今年は2年なんですけれども、自分が中心となって勝たせられるように。チームが勝っている時とか良い時は、自分のプレーも良くなっている。まずはチームのために走って、戦えるようにしていきたいです」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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