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父は元Jリーガー。流経大柏の192cmGK佐藤、急遽先発も役割果たして完封勝利

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流通経済大柏高GK佐藤藍大は積極的な飛び出しなどで無失点勝利

[11.10 選手権千葉県予選準々決勝 八千代高 0-1 流通経済大柏高 柏の葉]

 急遽先発することになった大型守護神が、名門を救った。0-0の後半8分、八千代高はループパスで抜け出した左SB清水啓介(3年)がゴール至近距離からシュートを放つ。だが、流通経済大柏高はここで慌てて動かずに「止まった」GK佐藤藍大(3年)がストップ。伊佐孝徳GKコーチもベストの判断でシュートセーブした教え子を讃えていた。

 この日、八千代はクロスなどゴール前に放り込んで来るボールも多かった。だが、192cmの大型GK佐藤は「自分の長所のハイボールへの高さを活かして、相手も放り込んでくるので自分が積極的に出ていけば相手のチャンスを防げるかなと思っていました」というように積極的に飛び出して触り、相手のゴール前での2次攻撃をほとんど許さなかった。

 後半35分に先制した後は、相手の連続ロングスローなどがPAへ。「最後は自分が全部触ってやろうと」飛び出したところでクリアできなかったシーンもあったが、ゴール前の制空権を握り続けた守護神の奮闘もあり、流経大柏は1-0で勝利した。

 この日は積極的な飛び出しと、冷静にシュートコースを消すことで勝利に貢献。だが当初、佐藤がこの準々決勝に出場する予定はなかったという。佐藤は負傷を抱えていたが、正守護神のU-17日本代表GK松原颯汰(2年)が八千代戦の2日前に発熱。とても万全のコンディションとは言えなかったが、佐藤は急遽先発の準備をすることになった。そしてかなり緊張して迎えたというこの日。だが、今年、ナショナルGKキャンプメンバーに選出され、Jクラブも興味を示すほどの注目守護神は見事に大役を務めきった。

 選手権は「3年間の集大成」という大会。そして、彼にとってはリベンジの舞台でもある。インターハイ予選決勝では延長後半終了間際から“PK戦要員”として出場したが、直後に決勝点を奪われて、チームは予選敗退となった。「あの日のことは今でも忘れていなくて、この選手権で借りを返していきたい」と意気込んでいる。

 父・佐藤大さんは元柏のGK。将来は父のようにプロ、そして「日本を代表するようなGKになりたいです」という佐藤は、ここからの戦いで先発でも、ベンチスタートになっても最高の準備をして、3年間目指してきた全国制覇に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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