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[MOM3065]明秀日立FW根本琳生(1年)_「まだ荒削り」途中出場&途中交代の大器がV弾

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勝ちロコを踊るFW根本琳生(1年)(18番)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.17 高校選手権茨城県予選決勝 鹿島学園0-1明秀日立 カシマ]

 途中出場&途中交代の1年生FWが大仕事をやってのけた。明秀日立高は交代策で投入された1年生が息の合った連携でゴールを陥れ、萬場努監督の描いたプランをピッチで完遂。FW根本琳生(1年)が拮抗した1点ゲームをモノにする決勝点を挙げた。

 後半37分、浮き球パスを受けたFW海老原拓弥(2年)が頭で前線に送ると、同じく途中出場のDF長谷川皓哉(1年)がスルーで“演出”。後方からダイナミックに走り込んだ根本は左足を振り抜き、ゴール左下隅に突き刺した。複数人がイメージを共有させた「狙い通り」の形から、カシマスタジアムを沸かせた殊勲弾。根本には「GKが右に飛ぼうとしていた」とゴール前で冷静に判断して持ち替える落ち着きもあった。

 この日、63分にピッチに入った根本は80+2分にベンチに下がった。夏の終わりに左膝の外側靱帯を痛め、負傷明けの状態。試合を締める時間帯にピッチを後にし、出場時間は約20分と限られたが、スーパーサブの仕事を全うしてみせた。

「中2の県のトレセンで一緒にやっていた」という長谷川との連携から準決勝はアシスト、決勝ではゴールと、今大会中にも大きな進化を遂げている。「昨日の夜から、今日(ここに)来るときも、点を取るイメージトレーニングしていた」というピッチ外の姿勢も報われる形となった。

 大一番で萬場監督に起用されたのは当然、期待の表れ。「能力が高い分、まだ荒削り。それが研ぎ澄まされてくるといい」(萬場監督)という未完の大器が、選手権の舞台に立つ。さらなる成長を誓う根本は「3年生の思いを背負ってゴールを決めたい」と野心を燃やしている。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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