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上田母校の鹿島学園、惜しくも選手権届かず…エースFW磯部直也「綺世くんのように」:茨城

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鹿島学園の攻撃を牽引したFW磯部直也(3年)

[11.17 高校選手権茨城県予選決勝 鹿島学園0-1明秀日立 カシマ]

 鹿島学園高は決定機を生かせず、最後までゴールをこじ開けられなかった。2年連続同カードの決勝戦。シュート数は10対7と上回ったが、後半38分の失点で惜しくも敗戦。攻撃を牽引したFW磯部直也(3年)は涙を浮かべ、「点を取ってチームを勝たせたかった」と悔しさをにじませた。

 後方からのロングボールを巧みなトラップでおさめれば、相手を背負って受ける動きに優れ、抜群のキープ力で起点となった。厳しいマークに苦しみつつ、それを上回る場面も。スピードを生かして背後を取り、対角線へのロングボールをおさめて沸かせたが、シュートは相手のブロックに跳ね返されてしまう。終盤は足をつっても、最後までゴールを目指した。

 今季は県リーグで得点ランク2位となる17得点をマーク。ゴール感覚は研ぎ澄まされていたが、選手権をかけた決勝の緊張感は特異だった。「リーグ戦と違うプレッシャーが一気にかかってくる。自分のメンタルの弱さが出て、思うようにいかなかった」。エースFWは声を落とし、決定力を欠いた責任を自ら背負った。

「最後まで点を取れなくて、支えてくれた監督、コーチ陣、仲間、保護者、応援してくれた人たちに本当に申し訳ない気持ちです」。鹿島学園が最後に選手権の舞台に立ったのは2016年度大会。そのチームの中心には、今年6月のコパ・アメリカでA代表として日の丸を背負った東京五輪世代FW上田綺世(鹿島)がいた。

「綺世くんのように点を取って勝たせる選手になりたかった」。3年間目指した選手権の舞台には立てなかったが、磯部は大学でサッカーを続ける意向。鹿島学園から法政大に進み、古巣鹿島に加入した上田の背中を追うように、前へと進む。決勝で見えた課題を克服し、光る武器を今後も磨き上げていく。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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