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U-17W杯経験した市立船橋右SB畑大雅、精度向上したクロス含む2アシスト

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市立船橋高のU-17日本代表右SB畑大雅は2アシストを記録

[11.27 選手権千葉県予選準決勝 専修大松戸高 0-4 市立船橋高 柏の葉]

 今年、意識して進化させてきたクロスでアシストした。前半36分、市立船橋高は右サイドでボールを持ったMF鈴木唯人(3年、清水内定)がキープ。その間に「唯人は獲られないですし、パスも信じて走れば出てくるレベルなのでそこは信じて」U-17日本代表右SB畑大雅(3年、湘南)が内側を駆け上がる。

 そして、畑はPAへ送られたループパスを受けると、強引にDFを振り切ってクロス。これをFW松谷昂輝(3年)が頭で合わせて2-0となった。畑は前半9分に松谷へ出した縦パスに続いて2アシスト目。松谷は「(2点目は)クロスで勝負あったかなと思います」とアシストの右SBを讃え、畑は「ちょっと危ないかなと思ってゴリって行って、中の様子を見てしっかり上げれたかなと思います」と微笑んだ。

 これまで、クロスは課題とされてきた部分だ。圧倒的とも言えるスピードでサイドを打開しながらその後の精度を欠いていた。だが、「3年になってから凄く意識して取り組むようになってきて、最近周りの人にも『クロスの精度が上がったよね』とか、代表に行ってもそういうことを言ってもらえて成長を感じている部分があります」と手応えを感じている。ただし、相手DFに引っかかるシーンもまだあるだけに「まだまだ」貪欲にレベルアップを目指す。

 世界を知り、そこで戦うためにはもっともっとやるべきことがあると学んだ。10月から11月にかけて開催されたU-17ワールドカップでは、U-17日本代表の右SBとしてベスト16進出を経験。自信を持っている1対1の守備ではほとんど攻略される場面はなかったが、ビルドアップやより考えながら相手の攻撃に対応する部分など課題も感じる大会となった。

 1対1の守備についても、オランダの左SHらレベルの高い選手と対峙した時のステップワークなどまだまだ追求できることがあると実感。市立船橋では感覚的に通用していた部分があったが、世界では同じようにはいかない。プロ入りする前にそれを再確認した畑は、攻撃参加するタイミングの質や守備のバランスを見る部分、細かな動きなど早速意識してプレーしていた。

 高速SBとして下級生時から注目されてきた畑だが、まだ選手権全国大会に出場したことがない。その中で畑は「市船は全国に出て活躍するチーム」という共通意識を仲間とともに持ち、選手権予選に臨んでいる。「(スタッフへの)恩返しという気持ちもあり、初めての選手権に出てみたいという気持ちもあるので、決勝はしっかりと勝ち切って全国に行ければ良いと思っています」。まずは30日の千葉県予選決勝で必ず勝利すること。そして、世界を経験した高速SBは学んだことを活かし、名門とともに全国舞台で活躍する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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