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ユース取材ライター陣が推薦する選手権注目の11傑vol.3

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川端氏が注目するSB山本献(國學院久我山高3年)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権注目の11傑』」

 ゲキサカでは12月30日に開幕する第98回全国高校サッカー選手権の注目選手を大特集。「選手権注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に選手権注目の11選手を紹介してもらいます。第3回はサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦氏による11人です。

川端暁彦氏「この11傑企画に限らず、『ベストイレブン』系の企画ではSBの選手が省かれがちな傾向があります。3バックと言いつつ、ウイングバックの選手は誰も選ばれないなんてことも珍しくありません。最近は改善されましたが、高校サッカー選手権の優秀選手にSBの選手が殆ど選ばれないという時代もありました。そこで今回は98回目の選手権に臨む48校からSBの選手を軸にセレクト。時代を反映してマルチロールのSBが多いので、この『10人のSB+GK』の編成でも違和感ないフォーメーションが組めると思います。ぜひ選手権では48校の両翼後方に注目を」

以下、川端氏が推薦する11選手

GK田川知樹(興國高2年)
「足技を活かして相手のプレスを巧みに回避しつつ、ビルドアップの起点として機能する現代型のGK。一気呵成のカウンターアタックの起点となるロングキックも。SBだらけのチームを彼なら活かせる。もちろん、セービングも一級品だ」

DF岡田怜(日大藤沢高3年)
「日大藤沢の採用する[4-3-2-1]システムにおいて、攻撃の鍵となるのはSBのオーバーラップ。右サイドからスピード豊かなドリブルを仕掛ける岡田のプレーは日藤に欠かせない。キックの質が光る左SBの吉本武も好選手で、日藤の両翼は要注目」

DF吉田晴稀(帝京長岡高3年)
「現在チームではCBとしてプレーも、来季加入の内定している愛媛ではSBとして起用される見込み。快足を飛ばしての広範なカバーリング、運動能力の高さを活かした1対1での対応力の高さが光る。タレントが揃った帝京長岡守備のキーマン」

DF畑大雅(市立船橋高3年)
「大会最強、最高峰のSBと言ってしまっていいだろう。U-17W杯の日本代表としても活躍したことでもお馴染みの超攻撃派。アップダウンの繰り返しをまったく苦にしない無尽蔵のスタミナ、スピードを活かした個での打開力を併せ持つ。1対1の守備も強い」

DF阿部稜汰(日章学園高3年)
「抽選会で選手宣誓に指名され、『頭が真っ白になった』とコメントした日章学園の主将は九州最強クラスの左SBだ。アグレッシブな攻撃参加から高精度のクロスボールを入れて決定機を作り、守っては対面のドリブラーをシャットアウト」

DF橋本密(鵬学園高3年)
「石川県予選では延長戦で生まれた決勝点を見事にアシスト。相手守備網を食い破る単騎突破からの絶妙な折り返しで星稜撃破の立て役者になった。猛烈なオーバーラップから高い技術を活かしてゴールに絡むプレーが売りの攻撃型左SB」

DF山根成留(広島皆実高3年)
「金沢FW山根永遠を兄に持つ右SBは、高い運動能力を活かしたダイナミックな攻撃参加とアクティブな仕掛け、守っては激しくタフなディフェンスを持ち味とする。SBに限らず、中盤やCBでもプレー可能なマルチロールでもある」

DF山本献(國學院久我山高3年)
「時代の流れに沿った“うまいSB”と言えば、この男。SBの位置からゲームを作りつつ、内側にポジションを取っても仕事ができる高い技術を活かしてゴールにも絡む。元々がアタッカーだっただけに、個での打開力も高い。左右両SBを違和感なくこなす」

DF下川床勇斗(神村学園高2年)
「夏の高校総体では左SBとして味のあるプレーを見せていたが、元々は中盤のテクニシャン。神村学園の選手らしい技術の高さ、走行能力に加えてビジョンを感じさせるプレーが魅力で、ピッチのどこでボールに絡んでも存在感を出せる」

DF高安孝幸(興國高3年)
「すでに特別指定選手としてJ2リーグでもプレーしている沖縄育ち、快足自慢の右SB。元々はFWで、ウイングプレーを得意とする選手だったが、中盤を経て右SBに落ち着いた。スピードに加え、ドリブルのテクニックも備えている」

DF岡田大和(米子北高3年)
「左足から繰り出す豪快な一発を魅力としていたストライカーは左SBへコンバートされ、そこでもやっぱり豪快な一発からゴールを狙ってくる“怖いSB”となっている。SB経験はまだまだ不足しているが、身体能力を活かして守備でも魅せる」

執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。
●【特設】高校選手権2019

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