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[MOM3102]草津東FW渡邉颯太(3年)_理想は大迫+興梠+岡崎…2ゴールも「前半は100点。後半は0点」

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2ゴールを奪った草津東高FW渡邉颯太(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権1回戦 東久留米総合高 2-4 草津東高 味フィ西]

 躍動した前半は「100点」。失速した後半は「0点」。草津東高(滋賀)を2回戦へと導いたFW渡邉颯太(3年)だが、後半の出来が「全然ダメ」だったこともあり、満面の笑みを浮かべることはなかった。

 試合開始早々の前半4分に試合を動かす一発を決める。ゴール前でボールを受けると、鋭いターンからシュートチャンス。「何も考えていなかった。相手が強く来ていたけど、足元に来てターンしたら良い位置だったので、気持ちで押し込んだ」と右足で流し込み、先制点をマークした。1年次から選手権の舞台に立っていた渡邉だが、過去2年は初戦で対戦した青森山田に0-5、0-6と完敗。3年目で生まれた選手権初ゴールとなった。

 そして、2-0とリードを広げて迎えた前半31分には、MF四元舜希(3年)の縦パスを受けると再びターンで前を向く。「今までだったら味方に落として周囲を生かす感じだったけど、周りからも『もっと自分で行け』と言われていたので、行ってやろうと思った」。ストライカーとしてのエゴを出した場面。きっちりと右足シュートでネットを揺らし、チームに3点目をもたらした。

 ゴール場面だけでなく、組み立ての場面でも貢献。相手を背負いながらもポストプレーをこなして味方の攻め上がりを促し、空中戦でも強さを示した。持ち味を存分に発揮して相手の脅威となった「前半は100点」と振り返りつつも、「後半は0点」と唇を噛んだように、後半の40分間はなかなか前線にボールを呼び込めず、攻撃に関与する場面は限られた。

「前半の早い時間帯で点を取れたのは良かったし、2点取れたのは良かったけど、後半の自分の動きは全然ダメだった」

 背番号9を背負うエースの理想像は、「ポストプレーは大迫(勇也)選手、クロスへの入りは相手を外すのがうまい興梠(慎三)選手、気持ちの部分は岡崎(慎司)選手。特に岡崎選手の気持ちの部分が好き」と日本を代表する点取り屋の良ところ取り。2得点を奪いながらも、課題を残した初戦。2回戦で対戦する筑陽学園高(福岡)は「東福岡を倒してきた強いチーム」だが、怯むことなどない。「次も、この勢いに乗ってゴールを取りたい」と理想のプレーでゴールに迫り、再びチームに勝利をもたらす得点を奪う。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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