退場者を出した仙台育英、“W佐藤”の活躍で初陣五條をPK戦で下す!!
[12.31 選手権1回戦 仙台育英1-1(PK3-0)五條 等々力]
3年連続出場の仙台育英高(宮城)が、選手権初出場の五條高(奈良)にPK戦の末に逆転勝ち。3年連続となる初戦突破を決めた。仙台育英は1月2日、高川学園高(山口)と等々力陸上競技場で2回戦を行う。
縦へ速いスピーディな攻撃を見せる仙台育英と、攻守において豊富な運動量を見せる五條。ともに自分たちの形が見える前半となった。
得点チャンスを多く作ったのは仙台育英の方だ。前半24分には左CKからゴール前で立て続けに2本シュート。38分には右サイドからのボールをFW佐藤遼(1年)が胸トラップからシュート。しかし、豊かな運動量で人数をかけ守る五條DF、そして五條守護神GK中尾優貴(3年)の好守備でゴールが奪えない。
五條も守りばかりではない。丁寧なボールの受け方、そして身体の入れ方で前を向いた攻撃が続く。それが前への推進力を生み、前半だけで6本のCKを得た。粘り強く、丁寧な五條の姿勢が身を結んだのは後半5分だ。左CKからのボールをゴール前中央でFW菅田剛平(3年)が頭で合わせ先制点を挙げる。
この展開を仙台育英の城福敬監督はある程度予想していた。「前半、チャンスはあってもDFラインが安定せず、ペース的には五條さんだった。ポジショニングが悪いためボールがどちらに出るか分からない。このままだと先制される気がしました。問題は取られた後だと」。
失点後、前に圧力を強めた仙台育英。失点から13分後の後半18分、左CKからファーサイドに渡ったシュートのこぼれ球を佐藤遼が押し込み同点に。ある意味想定通りの形。そしてさらに勢いに乗りたかった仙台育英だったが、25分にCBに入っていたDF中川原樹(3年)が2枚目のイエローカードを受け、退場になってしまう。
しかし、この後も攻勢を強めたのは仙台育英だった。五條の吉岡一也監督は言う。「1点は先制できたものの、このまま終わることはないと思っていました。相手が強いので、前半からとばしていった結果、スタミナがもたなかった」。五條は1人少ない相手に対し、前半のような推進力が生まれない。逆に後半35分には、途中出場のMF明石海月(1年)に2度連続ポストに当たるヘディングシュートを許すなど、決定機を許した。
同点で迎えたPK方式は仙台育英GK佐藤文太(3年)が奮闘。「遼が同点に追いついてくれてしっかりつないでくれた」。巡ってきたPK方式の機会。今度はGK佐藤が結局1度の成功も五條に許さず3-0で仙台育英が勝利した。
「佐藤(文太)が止めないで負けたらしょうがない、勝負を託すのは当然というくらいの存在感、信頼があります」(城福監督)。試合終了直前にキャプテンのDF小林虎太郎(3年)に代えてFW田口蓮(3年)をPK要員として入れ、きっちり決めて見せるなど、仙台育英はPK方式にも万全の準備をしてきていた。
五條も選手権初出場ながら、独特の緊張感をものともせず試合開始から形を見せたメンタルは素晴らしかった。そんな相手に対し、難しい試合を勝ち切った仙台育英。次はここ2年連続敗れている2回戦の壁に挑む。
「本番の選手権なのに、まだまだ未完成の中でやってたなと」(城福監督)。逆に解釈すれば、まだまだ成長の余地はあるということだ。選手権という大舞台で100%の自分たちを発揮できるか。それが悲願の「2回戦越え」のカギになる。
(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019
3年連続出場の仙台育英高(宮城)が、選手権初出場の五條高(奈良)にPK戦の末に逆転勝ち。3年連続となる初戦突破を決めた。仙台育英は1月2日、高川学園高(山口)と等々力陸上競技場で2回戦を行う。
縦へ速いスピーディな攻撃を見せる仙台育英と、攻守において豊富な運動量を見せる五條。ともに自分たちの形が見える前半となった。
得点チャンスを多く作ったのは仙台育英の方だ。前半24分には左CKからゴール前で立て続けに2本シュート。38分には右サイドからのボールをFW佐藤遼(1年)が胸トラップからシュート。しかし、豊かな運動量で人数をかけ守る五條DF、そして五條守護神GK中尾優貴(3年)の好守備でゴールが奪えない。
五條も守りばかりではない。丁寧なボールの受け方、そして身体の入れ方で前を向いた攻撃が続く。それが前への推進力を生み、前半だけで6本のCKを得た。粘り強く、丁寧な五條の姿勢が身を結んだのは後半5分だ。左CKからのボールをゴール前中央でFW菅田剛平(3年)が頭で合わせ先制点を挙げる。
この展開を仙台育英の城福敬監督はある程度予想していた。「前半、チャンスはあってもDFラインが安定せず、ペース的には五條さんだった。ポジショニングが悪いためボールがどちらに出るか分からない。このままだと先制される気がしました。問題は取られた後だと」。
失点後、前に圧力を強めた仙台育英。失点から13分後の後半18分、左CKからファーサイドに渡ったシュートのこぼれ球を佐藤遼が押し込み同点に。ある意味想定通りの形。そしてさらに勢いに乗りたかった仙台育英だったが、25分にCBに入っていたDF中川原樹(3年)が2枚目のイエローカードを受け、退場になってしまう。
しかし、この後も攻勢を強めたのは仙台育英だった。五條の吉岡一也監督は言う。「1点は先制できたものの、このまま終わることはないと思っていました。相手が強いので、前半からとばしていった結果、スタミナがもたなかった」。五條は1人少ない相手に対し、前半のような推進力が生まれない。逆に後半35分には、途中出場のMF明石海月(1年)に2度連続ポストに当たるヘディングシュートを許すなど、決定機を許した。
同点で迎えたPK方式は仙台育英GK佐藤文太(3年)が奮闘。「遼が同点に追いついてくれてしっかりつないでくれた」。巡ってきたPK方式の機会。今度はGK佐藤が結局1度の成功も五條に許さず3-0で仙台育英が勝利した。
「佐藤(文太)が止めないで負けたらしょうがない、勝負を託すのは当然というくらいの存在感、信頼があります」(城福監督)。試合終了直前にキャプテンのDF小林虎太郎(3年)に代えてFW田口蓮(3年)をPK要員として入れ、きっちり決めて見せるなど、仙台育英はPK方式にも万全の準備をしてきていた。
五條も選手権初出場ながら、独特の緊張感をものともせず試合開始から形を見せたメンタルは素晴らしかった。そんな相手に対し、難しい試合を勝ち切った仙台育英。次はここ2年連続敗れている2回戦の壁に挑む。
「本番の選手権なのに、まだまだ未完成の中でやってたなと」(城福監督)。逆に解釈すれば、まだまだ成長の余地はあるということだ。選手権という大舞台で100%の自分たちを発揮できるか。それが悲願の「2回戦越え」のカギになる。
(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校選手権2019