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“1試合3点”のミッション継続!「攻撃は最大の防御」で連続完封! 鹿島内定MF松村擁する静岡学園が3回戦へ

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完封での2連勝を飾ったMF松村優太(写真中央)擁する静岡学園高(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権2回戦 丸岡高0-3静岡学園高 駒沢]

 第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を各地で行い、駒沢陸上競技場の第1試合は丸岡高(福井)と静岡学園高(静岡)が対戦した。静岡学園が攻めては目標としている3得点を奪い、守れば相手をシュート1本に抑えて2試合連続での無失点を達成し、3-0で完勝。3日の3回戦では今治東中等教育学校(愛媛)と対戦する。

 互いに4-2-3-1のシステムで、1回戦と同じスターティングメンバーを並べた両チーム。立ち上がりはハイボールをFW田海寧生(3年)に集める丸岡が押し込む場面もあったが、先に試合を動かしたのは静岡学園だった。前半2分、DF野尻惇人(3年)の縦パスを受けたMF小山尚紀(3年)が左サイドからのドリブルで対面のDFを振り切り、勢いに乗ったまま右足シュートを突き刺した。

 1回戦に続いて先制点を与えてしまった丸岡。それでもここから一挙に反撃に出る。前半11分、ペナルティエリア右脇からのFKをMF田島優也(3年)が狙って左CKを得ると、田島のキックを飯田晃明(2年)がヘッド。13分の右CKでは田島がインスイングのボールで直接狙った。しかし、いずれもGK野知滉平(2年)の好セーブに遭い、得点を奪うことはできなかった。

 すると前半20分過ぎからは再び静岡学園のペースが続く。小山のボレーシュートやDF中谷颯辰(3年)のヘッド、FW岩本悠輝(3年)のカットインシュートで次々と好機を迎えると、アディショナルタイム2分にMF浅倉廉(3年)の縦パスから鹿島内定MF松村優太(3年)が右サイドを突破。クロスに合わせた小山がワンタッチで決め、今大会3点目でリードを2点に広げた。

 後半も細かいパス回しとサイドの突破力で崩しにかかる静岡学園に対し、丸岡が田海のポストプレーで打開を試みるという構図。そこで優位に立った静岡学園は22分、ペナルティエリア際まで侵入した浅倉が強烈なミドルシュートを狙うと、GK倉持一輝(3年)に弾かれたボールを岩本が押し込み、勝負を決める3点目を奪った。

 なおも勢いを止めない静岡学園は後半26分、左サイドからカットインした小山がファウルを誘ってペナルティエリア際でFKを獲得。目の前に味方を立たせた壁の隙間を小山が自ら狙ったが、ボールは惜しくも右へと外れた。小山は34分にも華麗なターンからゴールに迫り、局面打開力の高さを試合を通じて見せつけた。

 3点ビハインドの丸岡は最終盤、GK倉持を最前線に上げつつDF遠藤悠生(3年)のロングスローなどで一矢報いようとする。しかし、最後までシュートもつなげることができず、3点差のままタイムアップの笛。静岡学園が2試合連続での完封勝利で、5年ぶりの3回戦進出を果たした。

 試合後、静岡学園の川口修監督は「1試合3点取ろうという目標でやっているので、そこはうまくいって良かった」と得点力には手応え。それでも、中盤で相手のプレッシングに苦しんだことについて「研究されていた。ボールを持てないし、はがせなかった」と厳しい表情を浮かべ、「ウチの出足が遅かったというより、相手が速かった」と振り返る。

 もっとも、相手のプレッシングが中盤中央に集中したことで松村、小山の両サイドハーフがフリーになる機会が増えたとも言える。「来てくれたほうがワイドの武器が活きる」と自信ものぞかせた指揮官はそのメリットを前向きに受け止めつつ、「中盤で握りつつ、真ん中からもワイドからも行けるように、もっと攻撃のバリエーションを出していきたい」と改善点を語った。

 また連続無失点の守備面は「とにかくボールを常に握りながら、攻撃は最大の防御という形でやっている。ボールを握って、カウンターで攻められる回数を減らす」という狙いだが、「ある程度は表現できているが、まだ不用意なミスからカウンターを受けている」と満足はなし。6-0、3-0という理想的な勝ち上がりにも浮かれることなく、まずは前回出場した14年度と同じ8強がかかる次戦に挑む。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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