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[MOM3134]昌平MF篠田大輝(1年)_チームの歴史を変えた劇的弾「味わったことのない喜び」

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途中出場で決勝点を奪った昌平高MF篠田大輝(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 選手権3回戦 國學院久我山高 0-1 昌平高 駒場]

 一方的に攻め込んだ。ゴールだけが遠かった。PK戦も頭をよぎり始めた、0-0で迎えた後半アディショナルタイム。昌平高MF篠田大輝(1年)が勝利をもたらす一撃を叩き込んだ。

 前半から主導権を握りながらもスコアを動かせない昌平は、後半23分にMF渡邉建太(3年)に代えて篠田をピッチへと送り込む。初戦となった2回戦・興國戦では出番がなかった1年生。しかし、藤島崇之監督は「決定力」の高さに期待していた。

「狭い局面で崩しにかかった時にでも『振れる力』、狭い局面でも『振り切る力』がある。右利きだけど、左足でも『振れる力』があるのは大きな武器なので起用した。最後、決め切る力がある選手なので、期待を込めて出した」

 篠田は指揮官から掛けられた言葉をしっかりと頭に入れて、ピッチへと向かった。その言葉は、「自信を持て」「お前ならできる」「ゴールが見えたら振り抜け」だった。

 すると、後半アディショナルタイムに篠田にシュートチャンスが訪れる。左サイドからPA内に侵入したDF大竹琉生(3年)が相手を引き付けて、篠田へラストパス。ファーストタッチで相手の逆を突くと、「相手をうまくかわし、ここで振り抜いたら点が入るんじゃないかという予感があった」と左足で持ち出して、その足を振り抜く。勢い良く飛び出したボールはクロスバーを叩いて落下しながらも、ゴールマウスに収まって決勝点となるゴールが生まれた。

「自分は右足も左足も同じ力のシュートがあると自信を持っているので、左でも行けると思って思い切って振り抜いた。自分が交代して入って流れを変えてやろうと思っていたので、点を入れられて良かった」

 チームを史上初のベスト8に導いた1年生MFは、「味わったことのない喜び」を感じているようだ。だが、一人で奪った得点ではない。「あそこで信じて僕にボールを出してくれた大竹くんに感謝したいし、皆で取った1点だと思う」と自分までボールをつないだ先輩方に感謝を示した。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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