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[MOM3142]青森山田MF浦川流輝亜(3年)_「名前のように輝け!」父の激励受けた“影の存在”が1G1A

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青森山田高MF浦川流輝亜(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.5 高校選手権準々決勝 青森山田3-2昌平 等々力]

「もっと輝け!」——。父親からの願いを胸に戦った背番号8が、全国準々決勝の大舞台で1ゴール1アシストという結果を残した。青森山田高MF浦川流輝亜(3年)は「なかなかプレミアリーグでも点が取れてなかったので、率直にうれしい」とほおを緩めた。

 まずは前半10分、右サイドを駆け上がったMF松木玖生(1年)のクロスに反応すると、右足シュートは相手GKに阻まれるも、跳ね返りを拾って左足で沈めた。「フリーだったので落ち着いてGKの動きを見て逆を取れたので良かった」。ゴール前でも周囲が見えている冷静さが光った。

 次は2-0で迎えた前半終了間際、今度はMF武田英寿(3年/浦和内定)のフィードを左サイドで受けると、自慢のクロスを蹴り込んだ。「毎日練習してきた。あそこに入れられたのも日頃の努力の成果」。後方から走り込んだ武田のヘッドを導き、勝利を手繰り寄せる3点目につなげた。

 前回王者の左サイドを担う浦川は、今大会ここまで2試合無得点に終わっていた。「自分の役割は点取ることよりもハードワーク。影の存在が自分であるべきだと思っていた」。そうしたキャラクターを自認しつつも、ノーゴールについて「周りからは言われていた」という。

 とりわけ父からは「お前、輝くって名前に入ってるんだから少しは輝け」というユニークな激励も受けていた。そのため、この日の1ゴール1アシストは「結果を残せていなかったので、そういうお父さんの思いもあったので今日は良かった」という親孝行にもつながる活躍となったようだ。

 昨季は2回戦・草津東戦でわずか5分間のみの出場。同学年の武田はスタメンを張っており「悔しい気持ちもあった」という。そのため「今年は自分でやってやろうという気持ちがある」という浦川は埼玉スタジアムで迎える準決勝に向けて「去年はピッチに立てなかったけど、今年は立てると思う。また結果を残せると思うし、優勝したい」といっそうの意気込みを見せる。

 目指すは“影の存在”としても評価を積み上げてきたプレミアリーグ王者としてのプレーだ。「(準決勝進出が決まって)ここからが難しくなってくると思うけど、自分たちがプレミアを取ったので、堂々と王者の風格を表していければ」。ようやくチームに得点をもたらした背番号8が埼玉の地でも輝きを放つ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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