beacon

インパクト残した静学MF小山尚紀「抜けると思った」仕掛けで“決勝FK”ゲット

このエントリーをはてなブックマークに追加

抜群のテクニックで魅せたMF小山尚紀(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 抜群のテクニックを誇る静岡学園高の14番が決勝でも魅せた。2-2で迎えた後半39分だ。左サイドボールを持ったMF小山尚紀(3年)は対峙した相手を揺さぶるステップワークから巧みなタッチで剥がし、守備2人の間をアグレッシブに仕掛けると、たまらず相手が倒してFKを獲得した。

「自分自身は抜けると思ったんですが、足がかかった」。数的不利でも果敢にチャレンジし、テクニックとアジリティーで道なき道を突破するプレーは大会中も見せてきた。3回戦の今治東戦(○2-0)では細かいタッチと縦への加速で守備網を一気に突破し、圧巻の“3人抜き”ゴール。2回戦の丸岡高戦(○3-0)でもシザースを入れながら3人の包囲網を打破し、ゴールをもぎ取っていた。

 青森山田相手にも果敢に仕掛ける姿勢を貫き、PA左で獲得したこのFKが値千金の決勝点につながった。0-2からの劇的な逆転劇。前半は相手の鋭いプレッシャーにパス回しが寸断され、「静学のサッカーができずに終わっちゃうのはすごく寂しいことだった」。後半はらしさを取り戻し、“静学スタイル”で絶対王者を倒した。

「サッカー人生13年目で優勝という結果が出てすごくうれしい」。小山は今大会得点ランキング3位タイの4ゴールを記録。準々決勝以降は得点こそなかったが、準決勝、決勝はいずれも決勝点に絡んだ。インパクトを残した自身初の全国大会。記憶に残るテクニックで魅了し、大会優秀選手にも選出された。

「1、2年生は苦しい時期があって、今年もインターハイで負けたり、試合から遠ざかった時期もあった。苦しい時もすごく多かったんですが、最後にこういう舞台でこの結果を残せたのはうれしいです」

 有終の美を飾った静学の14番は今週末にセンター試験の受験を控え、大勝負が続く。「勉強面でもサッカー面でも充実していると思っているので、特に苦ではない」と小山。次のステージでも輝くために道を切り拓き、大学でも文武両道に励む意向だ。


(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

TOP