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2日後に渡米予定の静学主将が最高の“置き土産” DF阿部健人「向こうでMLSを目指す」

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優勝旗を掲げる静岡学園のDF阿部健人主将(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 サッカー王国復活への足がかりとなる大きな一歩を記した。24年ぶり2回目の優勝、単独では悲願の初優勝を飾った静岡学園高(静岡)のDF阿部健人主将(3年)は「ずっと日本一を目指してきたけど、半年前までは県止まりのチームだった。(優勝の)実感はないけど、日にちが経てば出てくるのかな」とはにかんだ。

 DFリーダーとして最終ラインを束ね、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた。「キャプテンを務めさせてもらって、責任感もあったけど、仲間にも恵まれた」。そうチームメイトに感謝すると、「個人的にはキャプテンの意識はなくて、サッカーを始めた当初から高校サッカー(選手権)に出て、活躍したいと思っていた。自分を信じてやってきて良かった」と感慨に浸った。

 名門・静岡学園のキャプテンの次なるステージはアメリカになる。9歳までアメリカで育った帰国子女は英語も使いこなすバイリンガル。「生まれもあっちなので、海外の環境が自分に合っているのかな」と、卒業後はアメリカの大学に留学する意思を固めている。2日後の15日には早くも渡米予定で、数週間滞在し、現地の大学のトライアウトを受ける予定になっている。

「(選手権決勝後の)15日に飛び立つ予定にしておいて良かった」と冗談交じりに笑った阿部だが、日本を離れる前に「チームのために(タイトルという結果を)残したかった」と、だれよりも強い決意で高校最後の大会に臨んでいた。有言実行の“置き土産”。「向こうでプロ、MLS(メジャーリーグサッカー)を目指して、同時に大学でも自分の知識の幅を広げていけたら」。新たな夢を胸に秘め、静学の優勝キャプテンは日本を発つ。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2019

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