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「高校サッカーを引っ張る」責任感持つ昌平MF須藤直輝は選手権日本一、鹿島と海外で活躍する夢実現へ

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昌平高MF須藤直輝主将は選手権日本一を実現し、鹿島アントラーズへ加わる

 高校サッカーを代表するエースが、選手権日本一と鹿島、海外で活躍するという夢を実現する。30日、昌平高(埼玉)の日本高校選抜MF須藤直輝主将(3年)とMF小川優介(3年)の鹿島アントラーズ加入内定が発表された。須藤は1年時から強豪・昌平の10番を背負い、18年のインターハイ3位や昨年度の全国高校選手権8強に大きく貢献。1年時から日本高校選抜候補に名を連ね、年代別日本代表候補にも選ばれてきた逸材が常勝軍団からプロ入りする。

 鹿島は今春までにいち早くオファー。須藤は今夏に進路をプロ入りへ一本化した後、同じく熱心な誘いを受けていた広島と鹿島で熟考したという。両クラブの施設を見学し、「過去のアントラーズの動画とかサンフレッチェの動画とか見たりして悩んでいました。広島には広島の良さがあったし、鹿島にないものがたくさんあったので贅沢な悩みだったと思います」。当初、期日としていた8月末にも決断することができず、一週間伸ばした末にJリーグで最も勝利の歴史を重ねてきている鹿島入りを決断した。

 また、日本高校選抜候補合宿で一緒だったFW染野唯月や年代別日本代表候補でともにプレーしたMF荒木遼太郎が1年目から活躍していることも、鹿島入りの判断材料になったという。「(2人の力を体感しており、)自分もあのレベルにしがみついてでもやれるんじゃないかと。早く試合に出れるように、全力でやるのみだなと思っています。不安もあるんですけれども、早くあの素晴らしい環境で、昔から憧れていた舞台でサッカーがしたいという気持ちで今、凄くワクワクしている」。高体連を代表する存在からプロで活躍する彼らに自分も続くつもりでいる。

 須藤はテクニックとアイディアを駆使したドリブルが最大の武器だ。足裏も活用しながらボールをコントロールし、一瞬の閃きと技術で打開して決定的なシュート、ラストパスへ持ち込んでいく。

 その強みに気づいたのは小学生の時。「小学6年生の時にアルディ(大宮アルディージャ)のセレクションとか受けたんですけれども、絶対に他の人ができないモノができるし、無いものを持っているなと。そこが自信に繋がっていて、今のトリッキーなプレーとかもほとんどやれる人がいないし、そういうところで差別化というか、自信になっています」という。

 セレブロFCや大宮ジュニアユースで成長した須藤は、選手権日本一を目指して昌平へ進学。「最高な学校」でそのドリブルに磨きをかけながら、肉体強化や守備の部分にも精力的に取り組んできた。壁にぶち当たったこともある。だが、サッカーを誰よりも楽しみながら、貪欲に成長を目指してきた須藤はそのたびに乗り越え、進化し続けてきた。

 テクニックはもちろん、献身性、勝利への欲求、勝負強さも高校トップクラスと言えるもの。全国大会での活躍に加え、国体日本一、代表・選抜に選ばれてきた実績の持ち主は、青森山田高から浦和入りするCB藤原優大主将(3年)らとともに今年の高体連を代表する存在だ。須藤自身も高校サッカーを引っ張っていくという責任感とプライドを持っている。

「1年生から昌平高校という強豪の10番をつけさせてもらって、高校選抜も1年生から選んでもらって、3年になった今は高校サッカーを引っ張っていかないといけない存在だと思っています。そこはしっかりプライドもあるし、責任感も持っています」

 高校サッカーを代表するエースは、選手権で主役となって鹿島へ。「自分が(大宮)ユース行かなくて高校サッカーに来たのも選手権のため。(全国準々決勝で惜敗した)去年も、(予選敗退した)一昨年も悔しい思いをして『勝ちたい』という気持ちは日本の中でも一番あると思うので、開催されるとしたら自分が優勝へ導くくらいの気持ちでやりたいと思っています」と誓った。

 当初は大学進学する可能性もあったが、招来の夢を叶えるためにもプロ入りを選択した。「自分がサッカー選手として成長できるのはプロだと思ったし、プロの世界で藻掻きながらやり続けることが絶対に大事になって来ると思ったし、自分の最終的な目標に一番近い道なんじゃないかなとは思っています。足りないところはたくさんあって、もっともっと練習していかないといけないと思っています」。自分が一番成長できる場所として鹿島を選んだ須藤は、常勝軍団に新たなタイトルをもたらし、鹿島からバルセロナ入りしたFW安部裕葵のように世界へ羽ばたく意気込みだ。

「(鹿島の)勝利に自分もかかわって行きたい。(安部も背負った鹿島の10番を受け継ぐという)それくらいの気持ちでやりたいと思います。そして、5年後くらいには海外に行って、海外のクラブでスタメンで出て、日本代表に選ばれ続けるということが今の目標です」。高校生活残り半年も楽しみながら、貪欲に成長を目指し続け、選手権制覇という夢を必ず実現すること。そして、鹿島で輝く。
 
(取材・文 吉田太郎)
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