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10番を「意識せずに泥臭く」。東京朝鮮はFWキム・ヒョンゴンが2ゴール

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東京朝鮮高の10番FWキム・ヒョンゴンは2ゴールの活躍

[10.10 選手権東京都Aブロック1回戦 東京朝鮮高 9-0 武蔵高 駒沢補助]

 東京朝鮮高の魂を最前線で表現するストライカーだ。10番FWキム・ヒョンゴン(3年)は選手権予選初戦で2ゴールの活躍。「個人技よりはGKが弾いたボールとか嗅覚、ゴールに対する貪欲さを活かして点を決めるというのが自分が持ち味なので、華麗にプレーするよりは泥臭く」というFWは、前線で攻守にハードワークを続け、ハイプレスで味方のゴールを演出するなど快勝に貢献した。

「朝高は技術よりも魂とか球際とか、走力とかで負けたらダメ」ということを選手たちは共通認識。新型コロナウイルスによる活動休止明けはなかなか上手く行かなかったというが、自分たちのスタンス、魂を再確認して戦っていることが東京都2部リーグ、選手権予選での好結果に結びついているという。

 キム・ヒョンゴンも最前線でひたむきに戦い続け、相手のミスを誘発。そして、前線でボールを収め、貪欲にシュートを放った。前半には自らも絡む形で右サイドを崩し、リターンを受けて右足シュート。「大胆に打とうと思って力まず振り抜いたら結構良いボールが行きました」という一撃を決めた。後半には絶妙なボールコントロールから2点目。ハットトリックのチャンスを逸してしまったものの、誰よりもゴールへ向かう姿勢を見せ続けていた。

 昨年まではなかなか試合に出ることができず、「周りのせいにしていた」。だが、自分を見つめ直して「(上手く行かない時に)矢印を自分に向けて飲み込んでやっていこうということで悔しさとかを糧にしてやって行ったら点とか結果もついてきた」と変化させてきている。

「今は10番とかつけているんですけれども、意識せずに泥臭くやっていこうと思っています」。自身と向き合って精神的に成長したFWは、今後の戦いでも焦れずに自分の役割を続けてハードワークとゴールでチームを救う。

(取材・文 吉田太郎)
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