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大怪我から復帰を目指す主将を選手権に立たせたい…想いを一つにした日大山形:山形

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[10.24 選手権山形県予選準決勝 羽黒0-1(延長)日大山形 小真木]

 今年度の日大山形高は主将とゲームキャプテンを別々の選手がこなしている。矢作直樹監督も「普段はやらない」と明かす異例の編成になっている。

 背景には主将DF阿部真珠(まこと、3年)が負った大怪我がある。1年生の2月に右膝半月板を水平断裂。2年生になったばかりの4月にメスを入れ、復帰まで1年半を要す長いリハビリ期間に入った。

 しかしチームには、小中で所属したいずれのチームでもキャプテンを務めた阿部の類まれなるリーダーシップが必要だと判断された。その結果、全体をみる主将に阿部、試合ではエースのMF大河原陽(あさひ、3年)にゲームキャプテンを任せることになった。

 阿部は今年7月の山形県リーグの山形中央高戦でようやく復帰。今では怪我の影響はほぼないようだが、途中出場が続いていることもあり、引き続き主将とゲームキャプテンを分けることが続けられている。

 チーム内では「リハビリを頑張っていたので、あいつのためにも戦わないといけない」(大河原)という想いを共有していたという。

 阿部の復帰で戦いにより安定感が出た日大山形は、5年ぶりの全国大会出場まであと1勝と迫った。

「山形県勢は全国で勝てていないとかあるけど、そんなことより自分たちでやれることをやって、絶対に一勝をもぎ取りたい」

 その思いを叶えるためにも、11月1日の決勝は必ず通過点にする。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2020

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