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[MOM3265]那覇西MF上原琉暉(3年)_小柄なトップ下が決勝で躍動! 全国8強超えを目指し高校最後の大舞台へ

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勝ち越し点を挙げたMF上原琉暉(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 選手権沖縄県予選決勝 那覇西高3-1西原高 タピック県総ひやごんスタジアム]

「メッチャ気持ちよかったです」。157cm、52kgと小柄な体型のトップ下は、1-1の拮抗した場面での後半13分、ゴールまでの軌跡を一瞬で描ききった。

 今大会、ゲームメイカーとしての存在感を見せていたMF上原琉暉(3年)。彼がボールを握った瞬間、那覇西高の攻撃スピードは加速する。このときもFW石川元尋(2年)がDFを引きつけて相手を後ろ向きにさせると、トップスピードで左から右へと流れて前線に顔を出したボランチ上地悠智(3年)がさらに相手を引きつける。この2人によって作り上げた西原高の壁の穴。上原は一瞬の隙を見逃さなかった。

「上地が上がったことで西原のGKとDFがそこに意識しているのを感じ取りました。GKの目線が上地にいっているのがわかったとき、いけると思いました」

 そう感じた上原はバイタルエリア中央でワントラップして重心を右に傾けたとき、間髪をいれずミドルシュートを放つ。「今大会1点も決めていなくて本当に点が欲しかった。いけると思った瞬間、自然と右足を振り抜いていました」。

 狙いすました先は、GKが取りにくい逆サイドの左ネット。「絶対に入ると思った」と力をこめたグラウンダー性のボールが吸い込まれる。両手を高々と上げてガッツポーズを見せたその姿は勝ち越しゴールの喜び以上に、まばゆい才能を決勝の舞台で発揮できた心の弾みもリンクしているようだった。

 2年前の全国選手権の開幕戦で駒沢大高をPK撃破したときの喜びを知る一人として「沖縄最高順位のベスト8を超えたい」と決意を固め、高校生活最後の大舞台へと向かう。

(取材・文 仲本兼進)
●【特設】高校選手権2020

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